【遊戯王VRAINS】闇に紛れた月Ⅳ (ページ22)

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月夜百四十三夜目ページ22

遊作side

ーーゆっくりと、閉じていた瞼を開く
まず視界に飛び込んできたのは、足元に転がっていた真っ赤なリボンでデコレーションされたプレゼントボックスだった

「……ここは？」

辺りを見渡すと、そこはとても不思議な空間だった。
ピンク色の空に白い文字が雲のように流れ、黒と白のチェック柄の床にはおもちゃ箱をそのままひっくり返したように、様々なプレゼントボックスやトランプ、おもちゃが散らばっている

【おいっ、Playmaker様！？大丈夫か！】

「……Ai？どうした？」

【どうしたはこっちの台詞だっつーの！お前に言われたからさっきからずーっと黙ってたけど、もう限界っ！なんでお前、Playmakerになってんだ！？】

「はっ？」

Aiに指摘され自分の体を確認すると、先程まで学生服を着ていたはずなのに、Playmakerの全身タイツアバターに変わっていた

【なんでLINK VRAINSにログインしてないのに、アバター姿になってんだよ！】

「……心当たりならある。先程理出が発動した、『Program：Another』。あれが、恐らく原因だ」

【でも、人を勝手にLINK VRAINSにログインさせるプログラムなんて、できるもんなのか！？】

「『電脳ウイルス』を作ったハノイの騎士なら、できるだろう。……だが、此処は何処なんだ？こんな場所、LINK VRAINSにあったか？」

「だって此処、私専用のプライベート空間だから」

その時、Playmakerのすぐ後ろから、声がした

驚いて振り向くと、そこには顔の右半分を覆う仮面に、青のエプロンと銀糸のワンピース、茶色のコルセットをリボン代わりに腰に巻いた女……レジーが立っていた

「レジー……！」

思わず、Playmakerは後ずさった
先日のブルーエンジェル電脳ウイルス混入事件の際、New Moonを突き落とし、New Moonらしき誰かに敗北し、そのまま行方不明になっていた、レジー・クイ

【やっぱし、理出亜理子はハノイの騎士のメンバーだったんだな！
どうやって俺とPlaymaker様をLINK VRAINSに連れてきたんだ！？】

「それだけじゃない。十五夜未月の事もだ。十五夜未月は、やはり浅葱未月の事なのか！？」

矢継ぎ早に質問するAiとPlaymaker。レジーはそんな二人をじっ、と青色の瞳で見つめると、首をかしげて一言

「……あの、どうしてお二人は、私の事をレジーって呼ぶんですか？わ、私、アカウント名、『Liddell』って言うんですけど……」

と、不安気に小さな声で呟いた

「【……はっ？】」