【遊戯王VRAINS】闇に紛れた月Ⅳ (ページ20)

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月夜百四十一夜目ページ20

ーー『ヴァレルロード・ドラゴン』で、直接攻撃！

「この声、リボルバー……？どうして、」

リボルバーの声が何処からか響き渡った、その瞬間だった

突如、足をつけていた地面に巨大なヒビが入った。それと同時に真っ白な部屋が大きく揺れ、天井が崩れ始める

『……ッ、畜生、邪魔すんなよリボルバー！』

エクリプスがその声に答えた瞬間、周りの白い壁がまるでスクリーンのように、何処かの風景を映し出す
そこはLINK VRAINSのビルの屋上の様で、そこに立つ『誰か』の視点で映像は映し出されている
そしてその『誰か』の前には、デュエル中のリボルバーと、その後ろで控えている白を基調とした、スーツのようなよく分からない服を着たクリーム色の髪の男。リボルバーのフィールドには『ヴァレルロード・ドラゴン』が存在し、『誰か』のフィールドには何も存在していない

ーー貴様の思い通りになどさせんぞ、“パンドラ”！

スクリーンに映るリボルバーが、エクリプスの叫びに言い返す。するとまたエクリプスが噛みつくように叫んだ

『はぁ？うっせえ！その名前で呼ぶなって何回言えば分かんだ！わたしには、“エクリプス”っつーめたくそかっけぇ名前があるんだっつーの！いい加減覚えろ！』

ーー “パンドラ”の思考は、レジーを何時も間近で見ていれば嫌というほど分かります。いつもは目も当てられぬほどの大馬鹿ですが、自身の宿主の事となると貴女方は目の色を変えて大真面目になる。それは、貴女方の親離れが完全にできていない証拠だ

『はぁ？テメーらにだけは言われたくねーわ、聖信者と樹にバブみ感じてる未だに親離れできてない、特大ブーメランぶっ刺さってるテメーらにはな！』

ビシッ、とエクリプスがスクリーンに映るリボルバー達を指差すと、スクリーンの中の『誰か』もまた同じようにリボルバー達を指差した。どうやらこのスクリーンに映る『誰か』と此処にいるエクリプスは連動しているらしい

ーーハハッ、ですが笑えますねぇ。流石は六歳児、罵詈雑言のレパートリーが貧弱だ。

『うーっせえ、テメーは某極東エリアチャンピオンかっつーの！だーれが六歳児だこんちくしょうめ！』

先程まであんなに焦っていた筈のエクリプスが、また違う意味で焦り始めている。まるで子供のように罵詈雑言を吐くエクリプスを、煽り続けるリボルバーとスペクターと呼ばれた男

……一体、『外』で何が起こっているんだ？