月夜 四十五夜目 ページ6
ーー現実世界
走る
ローファーという走りづらい靴でも、頭が異常に痛くても、未月は全速力で走った
廊下を走るな、と注意されても未月は止まらない
「葵、ちゃん……！」
何故、何故予知夢を見たとき、気づけなかったのだ
ブルーエンジェル=財前葵ということを知りながら、何故、気付いてやれなかったのだ！
未月はとうに体力の尽きた足で、それでも屋上に続く階段を駆け上っていく
「葵、ちゃん！」
屋上のドアを開き、屋上へと出る
「ルドラ！本当に此処なの!?」
《《間違いありません！絶対に此処にいます！人目のつかない場所に……！》》
すると近くから携帯のバイブ音が聞こえてきた
「携帯の、バイブ……！」
まさか、と思い屋上入り口のある小屋の後ろを覗いてみる
すると顔を俯かせている財前葵が、ブルーエンジェルのデュエルディスクを付けて女の子座りをしていた
「確りして、葵ちゃん！……ッ！」
救急車を呼ぼうと携帯電話を取りだし、葵の肩に手を掛けようとし、一瞬止まる
頭痛が酷い。葵に近づくだけで、頭が割れそうだ
「う……ッ！何よ、こんな時に……！」
ずきりと、頭の奥が痛む
これは何なのか
何かを思い出しそうな、そんな予感がする
この感覚は、一体何なのだろうか
痛みは鋭さを増して、頭の中で暴れまわり、思わず手にしていた携帯電話を落としてしまう
けれど落ちた音は聞こえない
《《ど、如何いたしましたか、マスター!?》》
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さくら - 面白いです。更新頑張ってください (2018年9月15日 18時) (
レス) id: 078b8d6a67 (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語は面白くて続きが早く見たいです。 (2017年10月25日 15時) (レス) id: cf9e98bb45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠伊亞 | 作成日時：2017年9月12日 17時
