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ページ21

『本当は、全部覚えてたんだね。』

涼「…うん、ごめん。」





私たちはホテルの裏庭に出た。
海が見えて、風が気持ちいい。





『なんで急にいなくなったの?自分のせいでまた私に迷惑がかかるから?それとも私が嫌いになった?』

涼「どっちも違う。」

『じゃあなんで?』

涼「俺、魔力を失ったんだ。」

『え…?』

涼「俺が回復して、なおかつAも死なずに済む血の量だけ分けてもらったから。寿命も長くない。」

『じゃあ…』

涼「まぁ普通の人間みたいになったってことだよ。
長くないとは言っても、五、六十年は生きられる。」

『ならもう襲われることもないじゃん。』

涼「逆だよ。」

『どういうこと?』

涼「もう俺にはAを守れない。
魔力を使って高校生に戻してやることもできない。」

『だから…』

涼「うん。他の吸血鬼に目をつけられないように、極力関わらずに生きていこうって決めたんだ。」

『…』

涼「Aを失うのが怖くて…Aを幸せにするどころか、日に日に苦しくなるばかりだった。」





苦しかった…涼太も同じ気持ちだったってこと?





『じゃあ…昔から私を知ってたっていうのは?』

涼「それも本当。まだAが小さい時、俺が死にそうになってたところを助けてくれて…」

『でも私覚えてない…』

涼「記憶が消されてるからね。」

『そっか…』





じゃあ涼太はこれまでずっと、私を見ていてくれていたってこと?

私を幸せにするためだけに命をかけてくれたの?





『ずるい…』

涼「え?」

『ずるいよ!好きにさせるだけさせて、逃げるとか!』

涼「A…?」

『この5年、ずっと涼太を探してきて…
見つけた時は心臓が張り裂けるかと思った。』

涼「…」

『またいなくなっても…地球の裏側にでも探しに行ってやるから!』

涼「…ははっ」





涼太はいつもの優しい笑顔で笑った。

やっと見つけた。やっと戻ってこれた、私の居場所。





涼「俺、Aが好きだ。誰にも渡したくない。」

『涼太…』

涼「俺とずっと一緒にいてくれますか?」





そんなの、一択でしょ。





『はい!よろしくお願いします!』

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設定タグ:片寄涼太 , GENERATIONS , ヴァンパイア   
作品ジャンル:恋愛
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りさ - いえいえ(*^-^*)新作楽しみにしてます(*^-^*) (2020年9月29日 4時) (レス) id: b925f584b2 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - りささん» ありがとうございます!なるべく早く更新できるよう、頑張りますね! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 34d49d678f (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - 片寄楓さん» ありがとうございます!書いた甲斐がありました(笑) (2020年9月24日 22時) (レス) id: 34d49d678f (このIDを非表示/違反報告)
りさ - えっいつの間に完結になってたの?本当はもっと読みたかったけど新作楽しみにしてます(*^-^*) (2020年9月23日 0時) (レス) id: 76aa5cadc8 (このIDを非表示/違反報告)
片寄楓(プロフ) - 完結おめでとうございます!!涼太くん推しなのでこのお話は読んでいてドキドキしました(≧∇≦)何度も読み返したくなる作品です。またいつか別のお話、楽しみにしてます(>_<) (2020年9月20日 15時) (レス) id: a5a37dc932 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくら | 作成日時:2020年4月6日 23時

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