blueberry (ページ7)

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Which is Mr.Right ページ7

しらんだ空が気がつけば明るくなっていた

ついを為すように部屋の中は暗くて人の気配がまるでしない

『あれ、？』

さっきまで北斗も樹もいたのに

乱雑だった机の上も綺麗に片付いていて

一枚のメモが佇んでいる

食器はてきとーにしまった

冷蔵庫勝手に開けたごめん

と、やけに丁寧な字で綴られていた

樹の字も北斗の字も何も変わってなくて

私だけが馬鹿みたいに変わりたがっている気がする

そう、馬鹿みたいに

ぼんやりとした頭ではチープな言葉しか浮かんでこない

使い古されて掠れきったような言葉しか

所持年数にしては比較的使われていないだろうわたしの頭は難しく考えることには慣れていなくて

人間よろしく楽な生き方を模索してはつんのめる

北斗や樹はきっとそうじゃない

色んな事に気が遣えて、考えることが出来て

それでいて独創的で使い古されていない

吐き出しかけた劣等感は身体の中に留まったまま

知らぬ間に肥大して私を蝕んでいる

彼らの隣に並ぶのにどれだけの劣等感を抱えたことだろう

神様はやっぱり理不尽で他人のままだ

神様なんていやしないと思いながら不都合なことは全部親身になってくれない神様のせいなんて

私の方がよっぽど理不尽じゃないか