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亀甲貞宗 ページ3
亀甲貞宗の部屋
庭に咲く花を見ると思いだす。
奥方様の笑顔を。
奥方様は誰よりも美しい方だった。
ご主人様のことをいつも考えていて、優しくて。
奥方様がいないと気づくとご主人様はいつも僕に言った。
「…あの美しい笑顔を見たいものだな」
自分の顔を憎み、醜いと罵り続けた奥方様。
そんなことないと僕の言葉は伝わったかな。
きっと、届いたと信じて。
過去を切り捨てられない僕。
過去に縛られた僕。
いろんな僕が
奥方様のことを心配している。
僕はずっと見ていた。
ご主人様のことも。奥方様のことも。
お二人はとても、優しい人だ。
だから
この滴る涙を止めて
今のご主人様に寄り添うことを＿＿。
続く
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作者名：黒羽翼 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/256b53cc2f17/
作成日時：2017年4月1日 13時
