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平野藤四郎　弐 ページ2

ある晩 平野藤四郎の自室



…重茲様は僕を憶えていらっしゃるのだろうか。

嗚呼、まただ。

今の主は重茲様ではないというのに。


「お許しください…主君…」

「今、あの方を思い、あの方のために涙を流すことを…」

「僕は貴方のおそばにいとうございました」

「最期まで寄り添うことができなかった」








ある晩 厚藤四郎の部屋


俺、厚藤四郎と平野藤四郎は粟田口吉光の短刀でも古い方だ。

平野は俺の部屋の隣にいて、泣いている。

きっと修行に行って前の主を思い出したのだろう。



俺もこうやって、涙を流すのだろうか。

亀甲貞宗　→←平野藤四郎　壱



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作者名：黒羽翼 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/256b53cc2f17/  
作成日時：2017年4月1日 13時

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