「ショータ」 ページ1
病室の窓から街並みを眺めていた。
思えば、どこかに留まってこうやって何かを眺めるのは初めてな気がする。欲しいものを走り追い求めて、自分を取り巻く環境を上から見た回数は少ない。
「変わったなぁ……」
何がって、特に僕自身が。
「ユ、キ……」
「！」
自分以外の声に、振り返る。白い包帯でグルグル巻きにされた顔の小さな瞳と視線が交わった。
「ショータ」
考えずに名前を呼んでいた。僕はベットの側に寄って、丸椅子に腰を下ろした。何度か瞬きをしながらも、ショータは僕を見ていた。僕も、目が離せなかった。
こんな感情は知らない。
体が暖かくなって、頬が緩む。だけど、目頭が少し熱い。指先がほんのちょっと震えて、頭が痛くなった。
なんで僕は泣きそうになっているんだろう。おかしいなぁ〜、とても不思議だ。
「ショータ」
答えを求めるような声だったかもしれない。自分でも情けない声だと思った。まぁ他に誰も居ないしいいかって思うけど、僕には珍しく答えを知りたい気持ちでいっぱいだったから、そんなのはどうでもいいとさえ思った。
こんな人間の何が惜しいって言うんだ。ただの取るに足らないおもちゃだろう。1年一緒に暮らしてたから何だ。何なら賭けの結果を得られなくてつまらないとさえ思うだろうに。
「…まぁ無事で良かったじゃないか。君は生きてる、またヒーロー活動もできるだろう。支障が無いわけじゃなさそうだけど」
こんな言葉を並べたって、分かるはずがないのに。どこか怖くて、それから逃げるように僕は取り繕う。ショータは喋れないはずなのに、喋らせる暇を与えまいと言葉を続ける。
僕以外の言葉が割り込むのが許せなかった。いや、正確には怖かった。
「ナースコール押してあげるよ。マイクも呼んでこよう。そうだ、A組のみんなにも言わないと。担任が死にかけじゃ気が気じゃないし。ていうか口まで包帯巻かれて苦しくないワケ？鼻だけじゃ息しにくいでしょ。あーそうでもない？ならいいや。そういやこの前子猫を見てさ、二匹居たんだけど。色々あって死んじゃって、そんで僕」
「ユキ」
〈ユキー！〉
〈ユキ早く！〉
「……」
「ユキ」
掠れた声が僕を呼ぶ。続けなきゃ、もっと、何か、言葉を
「助かっ…た……」
「……バカじゃない？」
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すみた先生(プロフ) - 名無しさん» 温かいコメントありがとうございます！！一応やる気はまだまだあるので頑張ります！！キャラ付け上手くいったみたいで良かった……(独り言) (2022年12月21日 22時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - コメント失礼します！話消えちゃったのめちゃくちゃ大変だと思いますが、更新楽しみにしてます！夢主くんの性格？口調？がとんでもなく好きで、これからどうなるか気になります…無理はしないでくださいね！長文失礼しました！ (2022年12月21日 22時) (レス) id: 7cbba75bf7 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - Yuuさん» コメントありがとうございます！！ (2022年12月18日 9時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
Yuu(プロフ) - totemosuki、、、、、、、 (2022年12月18日 3時) (レス) id: fb830e3447 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2022年9月23日 19時
