「どうしてそんな事が言えるんだい？」 ページ3
考えも無しに歩き回った。ショータの声が消えるまで、ただただ逃げるように、名前も知らない土地に辿り着いた。
うるさいよ。ユキって呼ばないで。そんな声で僕を呼ぶんじゃない。
ショータに"ユキ"と呼ばせたのは、一種の線引きだった。彼に丸め込まれないように、僕が絆されてしまわないように、敢えて僕が嫌う名前を呼ばせた。
名を呼ぶという行為はある意味、情を生む行為だと言える。親しみやすくするために名前を呼ぶ。信頼を強固なものにするために名前を呼ぶ。僕はそういう事が嫌いだった。誰かと親しくするなんて、そこに利益が無けりゃする価値も無い。自分の何かを預けてまで、他人に寄り掛かるのは嫌いなんだ。
僕一人で生きていけるから。他人との関わりなんて知ったこっちゃない。
仲良しごっこの集団は見てて嫌悪感を覚える。雄英も、あの孤児院も。隣に誰か居ないと生きていけない人間にはなりたくない。
自分を普通だと思った事は無いけど、世間ほどイカれたものは無いと思ってる。僕の楽しみを邪魔する奴ら。そいつらは口を揃えてこう言う。イカれてるのはお前だって。さも自分達が全て正しいと思ってるような正義面して、僕の自由を箱に押し込もうとするんだ。それを哀れみさえする奴も居るのに、どうして僕がそんな連中を好きになれるだろう。
だからこそ、怖かったんだ。
血溜まりで倒れるショータが、僕が日常としている景色と重ならなかった事が。ショータを助けてしまった自分が。
僕の意思なのか、それに反するものなのかすら分からない。分かりたいとは思わなかった。教えて欲しいとも思わなかった。ただそれが、今までの僕を否定する事だという事は理解出来た。
消えてくれ、早く消えていつもの僕に戻ってくれと念じる中、声をかけられた。
「おい」
「……」
「っ…無視してんじゃねェぞあべこべ野郎！」
「！」
振り向くと、吠えるウニ頭があった。声をかけてきたくせに警戒心剥き出しで僕の顔を睨むウニ頭くん。
もうここがどこかも分からないけど、とりあえず彼の住む地域だというのは把握出来た。私服姿を見るに、どうやら今日は休校らしい。
「テメェ……USJに居ただろ」
「どうしてそんな事が言えるんだい？」
「"あべこべ君"だか何だか知らねぇが……その個性！胡散くせぇ個性だけは覚えてんだよ。テメェがアイツら手引きしたんか」
猛犬のように威嚇しているように見えて、その実彼の目は聡明だった。
「そうだよって言ったら？」
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すみた先生(プロフ) - 名無しさん» 温かいコメントありがとうございます！！一応やる気はまだまだあるので頑張ります！！キャラ付け上手くいったみたいで良かった……(独り言) (2022年12月21日 22時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - コメント失礼します！話消えちゃったのめちゃくちゃ大変だと思いますが、更新楽しみにしてます！夢主くんの性格？口調？がとんでもなく好きで、これからどうなるか気になります…無理はしないでくださいね！長文失礼しました！ (2022年12月21日 22時) (レス) id: 7cbba75bf7 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - Yuuさん» コメントありがとうございます！！ (2022年12月18日 9時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
Yuu(プロフ) - totemosuki、、、、、、、 (2022年12月18日 3時) (レス) id: fb830e3447 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2022年9月23日 19時
