虎の虎元くん！ (ページ5)

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虎の小さな勇気ページ5

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オールスター2日目。
トラは瀕死になりながらも何とか生きている。相変わらず誰かの後ろに隠れているけど。

「トラ」

『、！監督！』

「この後、代打で出すから。準備しとけよ」

「え、！」

代打を告げられ、ちょっと固まってからそそくさとロッカールームへと向かうトラ。今は7回の表。またも一点を取られて4対1となった。

スリーアウトとなったところで、トラが帰ってくる。バットやらヘルメットやらを諸々を抱えて俺の隣に座った。

「緊張する？」

『んー、あんまり？凡退してくる』

「いや打て、そこは打てよ」

弱気なトラを送り出して、せめてもの一点を祈る。うじうじ言ってもやるのがトラだし、チームがビハインドの時や代打の時のトラはよく打つ。

「7回の裏。セ・リーグの攻撃は、1番、関根に変わりまして、虎元。虎元大牙。」

僕の名前が球場に響いた。スタンドが湧き、応援歌が流れる。相手はソフトバンクのオスナさん。簡単に打てる人では無いし、打ててもゴロ。

てなことを考えていたんだが。

【虎元が放った打球は大きな弧を描いてスタンドへと吸い込まれたー！絶対的クローザーからの1発は阪神の虎元が放った！！】

大きな歓声を受けながらダイヤモンドを一周する。低めに入った球を力任せにはね返せば、思いのほか伸びていき、スタンドへと入った。

ランナーコーチ、ネクストバッターであるノイジーにハイタッチして、ベンチ前まで行く。

ここで問題発生。ほかの球団の人とハイタッチしなければいけない。なんでもないような壁が高い高い壁に見えた。

「トラ！早く！」

先頭にいた聖也さんに急かされ、グッと意気込んでハイタッチをする。

「よっしゃー！」
「虎のトラ！さすが！」

ベンチに入ると、監督たちともう一回グータッチをする。岡田監督からは頭を撫でてもらったので、少し気分が良くなった。

『しょーたくーん！』

「うぉっ、」

『会いたかったぁ！！』

オールスター明けの最初の試合。フレッシュオールスターで活躍した翔太くんに実に4日ぶりに会う。

「トラ、ちゃんと人と話せた？」

『頑張った！』

「ホームラン打ってたもんな」

『うん、…褒めて？』

「わ〜、あざと！偉い！めっちゃ偉い！」

『んへへ』

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@totorara_taiga77
オールスター頑張りました。

【阪神の集合写真】
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