この愛は隠しきれないようです【呪術廻戦】

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「A〜それ美味い?」

「私は結構好き」


そう答えると寄越せと言わんばかりに手を出してきた悟。飲み掛けのペットボトルを蓋が空いたまま渡すと普通に口を付けて飲み始めた。一瞬の思考停止後、直ぐに我に帰る。


「ちょ、今口付けて飲んだ?」

「別に良くね。昔もこんな風にしてたじゃん」

「いや、それ小学生の話でしょ」

「今時こんなの普通だろ。なに間接キスとか意識してる系?」


意地悪く口角を上げて此方を見てくる悟にじわじわと顔に熱が集まるのが分かった。それを悟られないように頭目掛けペットボトルのキャップを投げて「ふざけた事言ってないでキャップ閉めといてね!」と一言言い残すと教室を出た。

ドアの向こうから「なに生理?」とデリカシーの欠片もない発言が聞こえたがそのまま止まることなく大股で歩く。少し教室から離れた廊下の曲がり角でしゃがみこんだ。顔が熱い。



「〜っもう、」



最近さっきみたいな悟のスキンシップが多くて終始心臓バクバクである。彼氏居ない歴年齢の私が間接キスとか慣れてるわけない。

悟は凄くモテるからそういう経験あるかもしれないけど。でも悟からそんな女性の話を聞く事なんて一度もなかった気がする。いや、


「あっても、私に話す訳ない、よね」


少し胸がチクリと痛んだ気がした。




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