この愛は隠しきれないようです【呪術廻戦】

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恐る恐る名前を呼ぶと、さっきまで可笑しそうに口角を上げていた少年だったが不機嫌そうに顔を歪めた。


｢同い年くらいだろ?そう言うのだりーから様付けすんなよ。後敬語もうぜえから｣


普通だったら自分が使えている本家の多分次期当主になるだろうご嫡男に敬語を外し名前で呼ぶなんて考えられない。━━━━が、10歳の私の頭の中には母や父から何回も言われていた"五条家の言うことは絶対"という掟が頭に浮かび、｢えーっと悟でいいの?｣とまるで友達の様に呼んでしまった。

一瞬面を食らった様な表情を浮かべたが直ぐに口角を上げる。


｢いいぜ。お前の名前は?｣

｢私は一条A｣

｢ふーん、んじゃあA。俺の話し相手になれよ｣



式の途中であることを思い出したが断れる訳もなく二つ返事で頷く。10歳の癖して大人をめっちゃくちゃ舐めている生意気少年だったが同い歳の友達が出来たと思ったのか私には優しかったのをとても覚えている。

式が終わると同時に悟に親まで送って貰う(広すぎて道に迷うため)と親を含む周りの大人には吃驚されたっけ。親には後にとても怒られたが。


｢気が向いたらまた構ってやるよ｣


帰り際に照れ臭そうに剃っぽ向かれながら言われた言葉は彼なりの好意だと子供ながらに悟った私は満面の笑みで頷いた。

━━━とまあここまでは懐かしい昔の話である。




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