【ONE PIECE】海賊王と時の女神はただ今世界を流浪中【ドレスローザ】

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「どうせなら驚かせちゃいましょ」


「ししっ、そうだな！」



二人揃ってニヤリとし、同時に席を立ち上がる。


ついさっきまで慌てたように食事を提供してくれていた給仕のオモチャが、私達の動きに怪訝そうに眉を寄せたが、無視。


見聞色の覇気で悟られないよう気配を消すと、そろりそろりとサボの背後に近づいていく。


ちなみに向かい合って座っているコアラも、私達には気がついていない様子だ……どうやら新聞に見入っているらしい。好都合だ。


私はお兄ちゃんを見やると頷きあい、小声で「せぇのっ」と掛け声を放つ。



「「わっ」」


「「わァっっ！！？」」



サボがびく！ と肩を揺らし、その声に驚いて驚きの声を上げたコアラが「え、なに、何！？」と顔を上げて辺りを見回す。


あっはははは！ 驚きすぎでしょ！！



「え、な、は……！？」


「久しぶりね、サボ！」


「覚えてるか、おれたちのこと！」



気配を悟れなかったことに余程驚いているのか、それとも私達に驚いているのかぱくぱくと口を開閉する、かつての我らが弟子。


サボは半ば呆然としたまま茶色のサングラスを上げると、「ああっ」という顔になった。



「る……ルーシー！ A！？」


「おっ、覚えてたわね！ ……ううん思い出したってとこかしら？ 12歳のあなたは私達を覚えてなかったもの」


「元気そうで嬉しいぞ！ でかくなったな……っておれよりでかいじゃねェか！」



思わずと言ったように立ち上がったサボを見て、愕然とするお兄ちゃん。いや前世でもサボの方がデカかったでしょうよ……。


コアラもやりとりを聞いているうちに11年前のこと……お兄ちゃんが無様にも武器商人に捕まった事件……を思い出したのか、混乱の表情を消す。


……それにしても。



「……ちょっと目立っちゃったかしら」



サボたちは任務中だろうに、悪いことしたわ。


……まあ、騒いだという程はうるさくしてないけど、少しだけ視線を集めている。居心地が悪い。


すると、意外にも敏速な反応をしたのはお兄ちゃんだった。


自分が食べた分のお金をテーブルに置いてくると、すぐにこちらに戻ってきて、サボとコアラにこう言った。



「ここじゃなんだし、ちょっと店変えて話しねェか？ いろいろ話したいこともあるしな！」



なるほどね、確かにそれが合理的……ってまだ食べたいだけじゃないのよ！！！

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