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燃えていく糸の波。炎は拡がり、延焼範囲を拡大していく。
辺りには焦げた臭いが漂い、ぶすぶすと音を立てながら、黒い煙が上がる。
……これはどう考えても。
「やり過ぎじゃボケェー!!」
「ぐえっ」
私の飛び蹴りが頭に炸裂し、その場に崩れ落ちるお兄ちゃん。
アホの極みかいや知ってたけど! 被害拡大させてどうすんだバカ兄貴!!
……とはいえ、ドレスローザの人々は突然の火事に驚いた様子を見せたものの、意外と気丈だった。
「今この状況なら、地面が動かない方がましだ! 皆水をかぶって駆け抜けろ!」
「ありがとよ兄ちゃん! 街焼かれたわけだからなんか複雑だけど!」
「そっちも気をつけてな!!」
「おう! ……どうだA!」
「これは結果オーライって呼ぶのよ! もっと考えて行動してもらえる!?」
向こうではルフィがドフラミンゴがなにかしたのか轟音が響いているし、人はどんどん走ってくるし、しっちゃかめっちゃかだ。
自慢げに胸を張るお兄ちゃんのスネを武装色の覇気を帯びさせた足(硬化はしてないのが優しさだ)で蹴っ飛ばし、私は周囲に視線を巡らせる。
「戦況を確認できないのが痛いわね。私もまだ満足に魔法を使える状態じゃないし」
「……多分、これからが本格的な市街地戦だぞ。おれ、1回ミンゴぶっとばし損ねて、覇気を使えなくなって逃げ回ったんだ」
「なるほどね」
苦い顔と口調から察するに、そこで人死にが劇的に増えたんだろう。
となれば、私達が向かうべきはやっぱりルフィのいる場所か。そこでバージェスを止められれば更によし。
……まあルフィがピンチならサボが動くだろうけど、そこは一応念を入れて、だ。
サボだってメラメラの能力者な訳だし、私達も全く歴史に干渉していないとは言えないから、事態が悪い方向へ転ぶ可能性は無きにしも非ず。
警戒しておいて損は無い。
____と、その時。
お兄ちゃんが勢いよく顔を上げた。
「やべェ、黒ひげの部下のヤツが動いた」
「……ってことは、まさかルフィが?」
「ああ。間違いねェ、体力切れだな。……サボの気配も動いてる。おれたちも行こう! 頼む、A!!」
「…………ったく、しゃーないわね」
満足に魔法が使えないって言ってんのに、相変わらず勝手なことをぬかすバカ兄貴だ。
だがしかし、それがルフィとサボを守るためなら構うまい。
「行くわよ。____“座標転移”!」
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さにー☆彡(プロフ) - やっさんさん» コメントありがとうございます!!たくさんの感想を下さりいつもいつも感謝しております!!ホールケーキアイランド編、もし書いた時はぜひまたよろしくお願いいたしますね!! (2019年5月3日 19時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» 角度から、検証し、自分で考えることは、本当に重要ですね。話は、変わりますが、ホールケーキアイランド編、読んでみたいです。時間の都合と気がむけば、是非お願いします♪。 (2019年5月3日 19時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» 海賊王と時の女神シリーズ、一応の完結?おめでとうございます。ルーシーと時の女神とのやり取り面白かったです♪♪。また、七話のスタートからの政治、権力の問題に対するご指摘は、脱帽でした。ご指摘のとうり、煽動者や、政治家の主張をうのみにせず、様々な角度から、 (2019年5月3日 19時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» 余談ですが、更新が、海賊王シリーズに!?・・・?? (2019年4月28日 21時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» げっ!!あんにゃろめ!!早くも登場ですか!!汗苦笑!!! (2019年4月4日 17時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さにー☆彡 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時:2018年12月17日 8時