☆16 ページ18
「国が、動く……？」
「ああ」
レベッカの肩をポンと叩いて少し笑ったお兄ちゃんが、おもむろに空を仰ぐ。
……ああ、そろそろか、とため息をついた。
鳥カゴ、そして賞金稼ぎゲーム。……きっと、私たちも追われることになるんだろうな。
何せあの男は、“私の敵”をも味方につけている＿＿＿＿。
「始まったか」
呟きと同時に、お兄ちゃんが静かに目を細める。ぱらぱらと石の欠片が落ちてくる天井、その割れ目の向こうに見えるのは、白い糸のカゴ。
あれが鳥カゴか。人を閉じこめ、支配し、操っていた彼にとっては、それを可視化したにすぎないのだろうが。
「ルーシー、知ってるのか？ あれが何なのか」
「んー、まァ、ちょっとはな。あれはドフラミンゴの能力だ。とにかくかてェし切れるし動くしで、おれでも多分出ることはできねェ」
問いに答えられたサボが、苦い顔をする。……電伝虫を自由に使えないというのは不便だろう。
彼らにしてみれば、見つけたものはすぐに総司令官ドラゴンに知らせたいだろうし。
「硬くて切れる、か……んじゃ、Aは？」
「私なら脱出は可能よ。……でもそれは“座標転移”をして、ならの話。破壊は無理ね」
斬ることは出来るかもしれないがすぐに再生するだろう。斬っても無駄だ。
つまるところ、鳥カゴがどこかを中心に小さくなるとするなら、国民を助けることは出来ないということだ。
「え、あなた、悪魔の実の能力者なの？」
「Aでいいわよ、レベッカ。……それと違うわ、いろいろと事情があるのよ」
キョトンとした顔のレベッカに苦笑を返し、ふう、とため息をつく。
さて、ドフラミンゴが手を組んだ時空間犯罪者……どうやって処理しようかしらと、そこまで考えた時だった。
……不意にジジ、という音がして、拡声器を通し、例のピンク毛玉の声が国中に響き渡る。
『……別に初めから、お前達を恐怖で支配してもよかったんだ』
お兄ちゃんがぎゅ、と拳を握る。フードの下、覗く黒檀の瞳が、静かに細められる。
……外の様子も激変しているのは、音でわかった。私の視力も聴力も、常人のものとはかけ離れている。
地響きが、悲鳴が、怒号が。……この国の“正しい有り様”を目の当たりにして、渦巻いている。
「ドフラミンゴ……」
ゲームをしよう、と彼は言った。この国の命運をかけたゲームだ。外道の業も甚だしい。
ああ、まったく。……心の底から、気に食わない奴だわ。
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さにー☆彡(プロフ) - やっさんさん» コメントありがとうございます！！たくさんの感想を下さりいつもいつも感謝しております！！ホールケーキアイランド編、もし書いた時はぜひまたよろしくお願いいたしますね！！ (2019年5月3日 19時) (
レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» 角度から、検証し、自分で考えることは、本当に重要ですね。話は、変わりますが、ホールケーキアイランド編、読んでみたいです。時間の都合と気がむけば、是非お願いします♪。 (2019年5月3日 19時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» 海賊王と時の女神シリーズ、一応の完結？おめでとうございます。ルーシーと時の女神とのやり取り面白かったです♪♪。また、七話のスタートからの政治、権力の問題に対するご指摘は、脱帽でした。ご指摘のとうり、煽動者や、政治家の主張をうのみにせず、様々な角度から、 (2019年5月3日 19時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» 余談ですが、更新が、海賊王シリーズに！？・・・？？ (2019年4月28日 21時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» げっ！！あんにゃろめ！！早くも登場ですか！！汗苦笑！！！ (2019年4月4日 17時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2018年12月17日 8時
