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六十一、名探偵の警告 ページ17






「太宰」


「はい」



____武装探偵社。


依頼された異能犯罪の捜査のせいで、未だ社内は慌ただしい状態だ。



乱歩に名前を呼ばれ、立ち上がった太宰は、比較的早足で彼の執務机(デスク)へと歩いていく。


乱歩は太宰が机のそばに立ったのを認めると、深緑の目を彼に向けた。そして「此れ」とだけ云って、数枚の綴じられた書類を手渡す。



「だいたい判ったよ」


「流石乱歩さんです。これはそれに関する情報ですか?」


「そう。この世界一の名探偵である僕が動いたんだ、解決が早いのは当然だ。


……いや。まだ解決じゃないか、お前は彼女をどうにかする必要があるみたいだし」


「ええ……」



頷いて、太宰は薄く笑みを浮かべたまま書類を受け取った。


乱歩は目を細めてその様子を見ていたが、そばにあった飴を手に取り、包装紙を破って舐め始める。



「……でも、もう遅かったかもね」


「はい?」


「先に教えておこう。……【匣】のトップの異能は、クローンを作る異能だ。異能力名は、【ヴィヨンの妻】。


機密扱いだから国の上の方しか知らないだろうね。恐らく今のマフィアの首領(ボス)も知らないんじゃない?


この【ヴィヨンの妻】という異能力を知っているのは、ごく一部の高級官僚か、本人以外に有り得ないだろう」


「森さんも……成程。それで? 乱歩さん、遅いというのは」


「向こうの方が上手だった、ってことだよ。


……お前が“気に入りそう”な感じの男だったわけだな、彼女の父親っていうのは」



は? と目を軽く見張った太宰が、書類に目を落とす。


それから、ぺらぺらと紙をめくっていき……剣呑に目を細めた。


真逆、という声が思わず口から零れた。


……否、それは『想定外』の驚きではなく、Aのために敢えて避けて考えた事実が、当たってしまったというような声だった。



「……【匣】の班長は確かに死んでいる。そして、同時に泥の男(クローン)が生まれている。


副班長は生きており、今回の実行犯は恐らく班長とともにいる副班長だ。


そして津島Aの父親のスワンプマンの偽りの名前は、



____検察事務官の、崎見修治だ」

六十二、助けて→←六十、裏切り



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さにー☆彡(プロフ) - りささん» 互いの『最優先』を尊重する、あるいはこの2作の内容全てといったところでしょうか…(文法に違和感を覚えるのはそういうものとして御海容下さいませ…) (2021年5月18日 11時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 最後のところの『それ』って何なんでしょうか? (2020年5月18日 16時) (レス) id: 486a37f744 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!!設定や中身まで楽しんで頂けたようで何よりです!! (2019年7月31日 18時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 設定、話の内容、文才、全てが素晴らしくて、読んでいてとても楽しかったです。作品様すばらしいです…!!ありがとうございました。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - ゆずみかんさん» ありがとうございます……!!主人公がやばくてすみません……!こいつ大丈夫かと何度も思われたことでしょう申し訳ない← こちらこそこの作品を最後まで読んでくださりありがとうございました!!コメントすごく嬉しかったです…! (2019年6月6日 8時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sunny | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1  
作成日時:2018年9月7日 14時

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