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＿＿＿＿ついに、来たか。
元帥センゴクの問いを聞きながら、おれはそっと目を伏せた。
この戦争でボロを出さずにいられれば、大口の顧客は離れずにいるだろうから構わないが、
一般の客は減るだろうということを考えると少し憂鬱だ。
……いや。遅かれ早かれ、このことが露見するのは覚悟していたのだ。
……ゴール・D・ロジャーの長男として生まれたのがおれ、ポートガス・D・Aだ。
当然だ。ポートガス・D・エースの実兄、それがおれであることは既に世間に知られている。
それでもなお、ポートガス社の評判は落ちていないのだから、今回だって優秀なエージェント達がなんとかしてくれる。
「おれにとっては、営業に弊害があるかどうか、それだけなので。気にしないで下さい、もともといつかこうなることはわかってたんだ」
「……A」
そう、それだけだ。それだけなのだ。
おれはエースのように両親を知らないわけではない、父親を憎めるはずがない。その権利はおれにはない。
バルテラで過ごした2年間。まだ井角Aとしての意識が強かったけれど、バルテラの記憶は明瞭に残っている。
父はよくバルテラを訪れ、謎に大人びた幼児であるおれを可愛がってくれていた。
母親も同様に、おれが異端であることに気がつきながらも、慈しんでくれた。
……無条件な温かさを知っているおれが、エースのように父親をただ憎むなんてことは、出来ない。
だからエースを身篭っている20ヶ月、おれはひたすらに母親を守ることに徹した。
「……そこだけはエースと違うんだ。おれは両親を誇りに思ってる。
父親には迷惑かけられっぱなしだったけど、あの人と母さんがエースをおれに齎してくれたことには間違いない」
父が処刑され、母が出産と同時に死んで。
おれには、エースしか残っていなかった。
「……“じいさん”。あなたにだけは本音を言います」
「A」
驚いたように、目を見開くガープ中将だったが、彼はおれの言葉を半ば予測していたようだった。
そうだよ。おれの中には昔から、ただ一つしかないんだ。
「……おれは弟を、エースを、ルフィを……守ります。何があったって、絶対だ。
独り立ちしても自立しても、兄貴が弟を守ってはいけないなんて決まりはどこにもないんだから」
バナロ島で。
弟妹たちが、おれの『復讐』を止めた時のように。
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ユリ(プロフ) - 一気読みさせて頂きました！涙腺がやばかったです。凄く素敵な話で、もう大好きになりました！良ければですが、本当に下らない事で兄弟達でバチバチの大喧嘩して欲しいです...とにかく、面白かったです。ありがとうございました！ (2021年8月18日 0時) (
レス) id: 6e38223124 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - あひるさん» たいへん素敵なご感想ありがとうございます！6まで一気にですと！？それはまた大変だったでしょうに……嬉しいです！このご時世ですので、あひるさんもご自愛くださいませ！ (2020年4月23日 9時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
あひる - 男主人公お兄ちゃんの家族からの扱い面白くて、クスッとしちゃいました。さにーさん、お身体には十分にお気を付けてくださいね(^^)ありがとうございました^ ^ (2020年4月22日 23時) (レス) id: e30357fbe7 (このIDを非表示/違反報告)
あひる - たまたま検索して辿り着いた夢小説。読んだその日に全て一気読み読破しちゃいました☆とても、素敵な内容で、主人公の葛藤やら、その周りの登場人物の心情。とても分かりやすく、読みやすい内容でズズイッとのめり込みました^ ^主人公お兄ちゃん最高！ (2020年4月22日 23時) (レス) id: e30357fbe7 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 鏡花さん» 最後はハッピーにしたかったのです…！ありがとうございます！ (2020年3月6日 7時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2018年5月27日 11時
