突撃訪問�� ページ35
A兄が笑顔のまま硬直した。
……その横に立つシェリルが横目でA兄を見る。おれはさらに続けた。
「シュンシュンの実の能力者で頭脳明晰な少女。弱冠十六で能力を“覚醒”させた鬼才。
A兄みたいな『天才』だ、何か知ってるかもしれないって思ってここに来たんだ。
おれはエースの思い出をよく知るそのコと話してみたいんだ」
A兄は笑顔のまま固まっていたが、シェリル副社長に脇腹に肘鉄を入れられ、やがて何故か汗の伝っている顔を上げた。
「い、いや、それは……その、な……」
「もしかして企業秘密なのか？」
「そういうわけじゃない、でも」
そこまで言うと、ちらりとA兄はシェリル副社長に視線を投げ、彼女が頷くのを見てため息をついた。
そしてそのままデスクに積まれていた書類の中から一枚の紙を取り出すと、それをおれに手渡してくれた。
「これは……」
＿＿＿＿イスミ・D・あかりの社員登録証だ。A兄は賞金首も雇ってたのか。
彼女の顔写真に経歴、家族構成、住んでいる場所。ほとんど全ての情報が記されている。
しかも住所がこの島の外れだ。どうやら夫と二人暮らしをしているらしい。
「……悪い、A兄。まさか彼女がこの会社にいたなんて。やっぱりこれ、社外秘の個人情報なんじゃ……」
「そうだけど、仕方ない。他ならぬサボ、お前の頼みだ。……だけど一つ約束してくれ」
「え？」
なんだ、と問うと、彼は真剣な表情になってこう言った。
「……サボ、『たとえそこで何を見たとしても』、それをルフィには言わないでくれ。
あいつが全てを知るのは、あいつが自分の夢を叶えてからでいい」
＊
……A兄の言葉の意味がわからないまま、“戦乙女”あかりの家に着いてしまった。
彼女の伴侶は、彼女が賞金首だということを知っているんだろうか。
“戦乙女”はなかなかに見目がいい、もしかしたら一般人だという可能性も捨てきれねェ。
それだったらいきなり革命軍の参謀総長が訪ねてきたら混乱するだろうな、……でもA兄はそんなこと一言も言ってなかったし、
……わけ知りだと考えても大丈夫、だよな？
「ごめんください」
そんなことを考えながらノックをすると、中から可愛らしい「はーい」という返事が返ってきた。
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ユリ(プロフ) - 一気読みさせて頂きました！涙腺がやばかったです。凄く素敵な話で、もう大好きになりました！良ければですが、本当に下らない事で兄弟達でバチバチの大喧嘩して欲しいです...とにかく、面白かったです。ありがとうございました！ (2021年8月18日 0時) (
レス) id: 6e38223124 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - あひるさん» たいへん素敵なご感想ありがとうございます！6まで一気にですと！？それはまた大変だったでしょうに……嬉しいです！このご時世ですので、あひるさんもご自愛くださいませ！ (2020年4月23日 9時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
あひる - 男主人公お兄ちゃんの家族からの扱い面白くて、クスッとしちゃいました。さにーさん、お身体には十分にお気を付けてくださいね(^^)ありがとうございました^ ^ (2020年4月22日 23時) (レス) id: e30357fbe7 (このIDを非表示/違反報告)
あひる - たまたま検索して辿り着いた夢小説。読んだその日に全て一気読み読破しちゃいました☆とても、素敵な内容で、主人公の葛藤やら、その周りの登場人物の心情。とても分かりやすく、読みやすい内容でズズイッとのめり込みました^ ^主人公お兄ちゃん最高！ (2020年4月22日 23時) (レス) id: e30357fbe7 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 鏡花さん» 最後はハッピーにしたかったのです…！ありがとうございます！ (2020年3月6日 7時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2018年5月27日 11時
