1 【NOside】 ページ2
＿＿＿＿暗い、昏い……海の底。
大型の海洋生物がすぐ横を通り過ぎるのを静かに眺めながら、あかりは甲板の手摺を掴んでぼうっと佇んでいた。
「おい、あかり」
「あ……マルコ隊長」
「船室に入れよい。お前、最近ほとんど寝てねぇだろう」
無理すんな、というように、後ろから現れたマルコが彼女の頭に手を置く。
あかりは、普段着ではなく……灰色のブレザーを来ていた。赤いリボンタイが眩しい、私立の中高一貫校の制服。
制服は正装であり、相手が学生だと示して敵の攻撃の手を休ませる策、
そして、覚悟の現れ。
これから起こる戦争で、二度と船に戻ってこれないかもしれないと、覚悟する意志。
「大丈夫ですよ、マルコ隊長。私だって戦争に参加するんです。必要最低限の睡眠はとってます」
「……オヤジは未だに反対してるぞ」
「ですが、エース隊長と手を組んで、ポートガス社の社長を出し抜いた以上……私がこの場を退くのはありえません。
それが仁義ってものです。お兄ちゃん……ポートガス社長は必ず弟を救いに来る。
大切なものを喪うのを恐れる、そういう人ですから」
……今、白ひげの船、モビー・ディック号は海軍本部に向かっている。
目的は勿論、2番隊隊長エースの奪還だ。
女であり、子供であるあかりが戦争に参加する理由はひとえに、彼女の明晰な頭脳と強力な能力……
極限までの努力によって覚醒した、悪魔の実の力である。
広範囲、大規模、遠隔瞬間移動。
それは能力者の寿命を僅かに削りはするものの、人員を大量に必要とする総力戦には、仲間を守るためには最適な力だ。
「……本当に参加するのかよい？」
「当たり前です。今回、長時間の交渉の末に、勝ち取った私の立場をお忘れですか？」
マルコは口を噤む。
確かに彼女は戦争に出るだけの地位を勝ち得ている。
「……いつ私が、黒ひげティーチを恨んでないと言いましたか？
ポートガス社長を意図的に巻き込んだ以上、私はエース隊長も彼も必ず救ってみせます。
ティーチの目的がエース隊長の命なら、思いどおりにはさせない。彼は戦争に必ず来る」
少し前、彼女は単身船長室に乗り込み、あの白ひげ相手に交渉を持ちかけ、四皇を説き伏せたのだ。
その交渉の末に、勝ち得た地位とは。
「＿＿＿＿2番隊隊長代理、井角あかり。
責務は必ず果たします」
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ユリ(プロフ) - 一気読みさせて頂きました！涙腺がやばかったです。凄く素敵な話で、もう大好きになりました！良ければですが、本当に下らない事で兄弟達でバチバチの大喧嘩して欲しいです...とにかく、面白かったです。ありがとうございました！ (2021年8月18日 0時) (
レス) id: 6e38223124 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - あひるさん» たいへん素敵なご感想ありがとうございます！6まで一気にですと！？それはまた大変だったでしょうに……嬉しいです！このご時世ですので、あひるさんもご自愛くださいませ！ (2020年4月23日 9時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
あひる - 男主人公お兄ちゃんの家族からの扱い面白くて、クスッとしちゃいました。さにーさん、お身体には十分にお気を付けてくださいね(^^)ありがとうございました^ ^ (2020年4月22日 23時) (レス) id: e30357fbe7 (このIDを非表示/違反報告)
あひる - たまたま検索して辿り着いた夢小説。読んだその日に全て一気読み読破しちゃいました☆とても、素敵な内容で、主人公の葛藤やら、その周りの登場人物の心情。とても分かりやすく、読みやすい内容でズズイッとのめり込みました^ ^主人公お兄ちゃん最高！ (2020年4月22日 23時) (レス) id: e30357fbe7 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 鏡花さん» 最後はハッピーにしたかったのです…！ありがとうございます！ (2020年3月6日 7時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2018年5月27日 11時
