十八、無視しなくてはならない ページ19
ぱちぱち、目を瞬かせる。
気になること？ ……仕事に熱心とはいえない治に、気になること？
「あっやしぃ……」
『ちょ！？ どうしてA！？』
思わず本心が口をついて出ると、即座に抗議の声が返ってくる。
幼い頃から変わらない反応に頬をひくつかせる。お前の云うことってのは大体真偽が怪しいんだよ。
……だが、彼の気になることというのはなんのことなんだろう。
私が国木田さんに掛けた電話をひったくるということは、やはりわたしが担当することになった事件に関係があるんだろうけど。
『……君が電話を掛けてきたということは、やはり事件は横浜地検に送検されてきたのだね』
「うん、その通り」
現場に連れていかれた時は騙されたのだと思ったのだが、あながち間違いではなかったらしい。
治も無理矢理立件される可能性を、頭の片隅で考えていたのだろう。何せ特務課が口を出してきている事件だ。
……すると、治が珍しく重々しい声で告げた。
『A。……君はこの事件に、もう関わらない方がいい』
……え、と。発言の意外さに目を丸くした。
低められた声には警戒心が滲んでいるようで、私の表情も無意識のうちに堅くなっていく。
どういうこと、わたしがそう問い返すことも出来ないうちに、治は低い声のままで『危ないんだ』と呟いた。
「危ないって……異能暗殺者を追うことが、ってこと？ 別に引き際を弁えれば大したことじゃないでしょ」
『それでもだ』
「……はあ？」
意味がわからん。
……というか、当たり前だよね、意味が判らないのも。だって何も説明してないもん、治。
送検されてきた大事件は、担当検事だけでなく、支部の全体で調べることだってあるのだ。
新人検事であるわたしに、先輩や支部長からの要請を断ることなどできるわけがない。
理由もなく、ただただ幼なじみに従うなんて有り得ない。それは、わたしの一番潔しとしないところだ。
(そんなこと、治だってよく判ってるはずなのに……本当にわたしには何もいえないことなの？)
何にせよ。
治の頼みは無視せざるを得ない。
「いや、それ、無理だから」
『……如何して？』
「その事件の担当検事、わたしだから」
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さにー☆彡(プロフ) - やっさんさん» やばいです← 私の文スト作品は大体やばいです← 続編もよろしくお願いします← (2019年2月27日 22時) (
レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - 最初から、一気に読みました。最初は、爆笑ラブラブ？展開のはずが、なんかとってもヤバそうな話に滝汗。引き続き、続編を読んでみます汗。 (2019年2月27日 22時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 彼方さん» テストが終わったのでもうすぐ作ります笑 (2018年9月6日 18時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
彼方 - とっても面白いです。続篇まだですか？ (2018年9月6日 18時) (レス) id: 383b340c0d (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - はちさん» ありがとうございます！！ もうすぐ続篇も書きますので、よろしくお願いします！ (2018年8月27日 21時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2018年5月5日 19時
