20 【sideSISTER】 ページ21
『助けて、お兄ちゃん！！！』
……ッダァン……！！
自分の、叫ぶ声に驚いて跳ね起きた。
お兄ちゃんを呼ぶ声と、耳の奥にかすかに残る、銃声の残響。
夢の内容は覚えていないけれど、間違いなく殺されたときの夢を見ていたんだろう。
「あかりちゃん、大丈夫？」
「まだ寝ていなさい。あなたは……本当に大変な目に遭ったんだから」
ナースさんたちの気遣わしげな表情で、私は自分が医務室にいることを理解した。
そしてその理由も、久しく見ていなかった悪夢を見た理由も思い出す。
「立花、孝太郎が……逃げちゃう！！」
「あかりちゃん！？ まだ起きちゃだめよ、」
「そんなこと言ってる場合じゃないんです！！」
マーシャル・D・ティーチは危険だ。
海賊とはまた違う恐ろしさを持つサイコパス。
その体に宿るのは、日本の犯罪史上でも名を遺すほどの残虐性を秘めた、シリアルキラーだ。
彼の悪行は彼自身の死によって幕を閉じたけれど、もしお兄ちゃんが彼を殺さなければ、
きっと日本は恐怖に震撼していただろう。
「さくらさん……！」
この世界で、ただ一人見ていない、お兄ちゃんの大切な人。私の未来の姉になるはずだった人。
その人の名前を叫びながら、私は思いきり甲板への扉を開け放った。
なぜか集まっていた船員たちが、一斉に私を振り向く。
「あかり！」
「あかりちゃん、目が覚めたのか！」
「これは、どういう状況ですか…！」
凄まじい怒りの表情で、ストライカーに降りようとするエース隊長が、見えた。
皆は彼を必死に止めようとしているけれど、彼は耳に入れようともしない。
「まさかティーチを追う気なんですか…！」
「そうだ、あかりちゃん！ エースを止めてくれ！」
エース隊長が振り返って、私を見る。
怒りに燃えた瞳には、見覚えがあった。
……彼の目は、さくらさんが殺されたときのお兄ちゃんと、そっくりだった。
「あかり」
「、」
「ごめんな」
謝ってほしいわけじゃなかった。
でも、彼は私の行ってほしくないという気持ちも見透かした上でそう言ったのだろう。
止められない、止められないから。
私はただ歯を食い縛り、こう言うしかなかった。
「…仇を、討ってください」
「ああ。必ず」
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やっさん - 立花！激怒！それにしても、シェリルさをの正体は・・夢主の前世の・・・。この、次元世界でも、頂上決戦は止められないのか！？続編を読んでみます。 (2019年3月8日 20時) (携帯から) (
レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - mさん» そうなのですか！？修正致しますので、もしまだ不具合があれば教えてください！ (2019年2月15日 6時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - この小説の8話くらいから名前が変えられないのは何故でしょう、、？もしそちら側に不具合等があれば直していただけると嬉しいです。応援してます (2019年2月14日 23時) (レス) id: 1c5909901a (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - monoさん» そうですねw もう大分伏線解放してますからね笑 (2018年1月29日 10時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
mono(プロフ) - シェリルがもしかして…って結構最初の方から思ってたりします。 (2018年1月29日 8時) (レス) id: 062eb7c7b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sunny
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2017年9月14日 19時
