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「く……！」
不敵な笑みを見せる田沢家綱に、ジンが銃を向けたまま低く唸る。
初めて見た、第一の敵の焦燥の表情に、コナンは愕然として息を呑む。
いつも見たことがあったのは、冷徹かつ残忍な顔だけだったのに。
コナンや灰原にとっては手を伸ばすことさえ恐ろしい、嫌になるほど慎重にならなくてはならない相手を、微笑み一つで戦かせる。
＿＿＿＿本当に恐ろしいのは、田沢家綱のように思えた。
「退くぞ」
「ええ」
一瞬のうちに身を翻し、拳銃を下ろしたジンたちが彼らのポルシェに飛び乗り、凄まじい勢いで発射する。
しかし、待て、と叫んでそれを追おうとしたコナンの腕をAが掴んだ。
「……もう、間に合いません」
「クソ……っ！」
追い詰めたのは自分ではないけれど、目の前が真っ赤になるかと思うほど悔しかった。
それはあっさりと犯罪組織であるマフィア・ボンゴレに助けてもらった自分自身に対する怒りなのかもしれない。
何も出来なかった。無力だった。
「よかったのかい？ ……あれ、逃がして」
「仕留めるなら全員でかかりましょう。王手をかけてはいないんだから、今は泳がせておくべきです」
「ふぅん。僕なら一人であんな組織、殲滅できるのに」
「独断行動は慎んでくださいってば。……Aちゃんもね」
その言葉に、Aが気まずそうに目を伏せる。
コナンはよく知らないが、彼女は独断でアレキサンドライトを持ち出し、黒の組織を罠にかけようとしていたのだろう。
少し落ち込んでいる様子を見ると、彼女がまだ、たったの20歳だということを再認識させられる。
「反省しなよ」
「申し訳ございません、恭弥様、10代目。処罰ならばなんなりと」
「命令違反もしてないのに、処罰はできないよ。でも心配するから、俺たちのこともちゃんと頼って」
「はい。勿体ないお言葉、恐縮です」
「フン」
そうか、と思う。
彼女は雲雀の妻で、ボンゴレの社長秘書官で。田沢はボンゴレの社長で。
そちらの側面があまりにも強烈すぎて忘れかけていたが、雲雀Aは『工藤新一』と三つしか、田沢家綱は四つしかし年は違わないのだ。
それなのに、あまりにも大きな差がある。
過ごしてきた場所と、覚悟の差が、彼らとコナンとの隔たりなのだ。
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さにー☆彡(プロフ) - ぬこぬこさん» ありがとうございます……！これ書いた時ほんとコナンにわかでして……！ ランボさんともどもすみません(・ω・`) (2019年4月1日 20時) (
レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
ぬこぬこ(プロフ) - 面白かった……( ﾟдﾟ)でも赤井さんがいなくてちょっと寂しかったのと、ランボさん見たかった(´･ω･`) (2019年4月1日 19時) (レス) id: a359276646 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - やっさんさん» ありがとうございます！ ボンゴレの在り方に関しては原作後の話なので想像になりますが、とにかく、ありがとうございます！ (2019年3月7日 21時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» 話に引き込まれるように読みました！ボンゴレについては、原作は読んでいませんが、マフィアと言うより、規律の厳しい正規軍！？という感じですね。それにしても、ボンゴレ桁外れの力です滝汗。確かに、黒の組織等、赤子同然かも・・・。 (2019年3月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 芳香さん» そう言っていただけると嬉しいです！ 光栄です｡･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･｡ ありがとうございます！！ (2018年2月3日 11時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2017年11月11日 20時
