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匣がプロトタイプとして夜に出回ったのはおよそ7年前。
それが齎された原因としては、この世界とは違う時間軸で進んだパラレルワールドの、
『3年後の世界』でボンゴレファミリーを苦しめたミルフィオーレのボス・白蘭だ。
「どうかしましたか、雪の守護者殿」
パーティーを抜け出し、ボンゴレの裏切り者たちとともに“黒の組織”の車に乗れば、脱出完了。
と、同時に、ボンゴレにAの裏切りが『露見するということ』になっている。
「その呼び方はおやめ下さいませ。その名は、あなたたちに加担することになった時に捨てています」
「…はは、確かにそうだ。雲雀A殿」
「旦那はどうするんだ。雲雀恭弥、あれはボンゴレの雲の守護者だろう」
隣の裏切り者と言葉を交わしていると、美術博物館の非常階段を先行する黒ずくめの男が、ふとこちらを振り返る。
くすんだ灰色がかった、銀の長髪。
鋭い三白眼も、Aのよく知る暗殺部隊の人間に似ているが、彼の髪は白がかった純銀だ。
そしてその問いに彼女は目を眇める。
愚問だ、と思った。
「帰れば殺されるでしょうね。彼も組織の人間ですので。
…そもそもそのようなことを心配して下さるのなら、私を計画に組み込まなければよいですのに」
「バカを言うんじゃねぇよ。お前は3年前から例の兵器を手に入れるうちの組織で活動しているんだ、そう簡単に計画から外せるかよ」
「…承知の上ですよ、ウォッカ様」
「…ごちゃごちゃ言ってないでとっととボンゴレのシマから出るぞ、ウォッカ、ベルモット……“リキュール”。
気づかれたら事だ」
呼ばれたコードネームに頷こうとした時、
Aが金属製の階段に足をおろすのとはタイミングをずらして、がたんという音がした。
思わず振り返りそうになるのを、精神力で留めた。
(追ってくるのが、早すぎます……!)
こちらにはこちらの『計画』があるのだから、と彼女は心の中で苦い顔をした。
無駄な優秀さ、という言葉が存在することを再認識する。
(そこにいるのですね、ゼロ……そして工藤様)
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さにー☆彡(プロフ) - ぬこぬこさん» ありがとうございます……!これ書いた時ほんとコナンにわかでして……! ランボさんともどもすみません(・ω・`) (2019年4月1日 20時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
ぬこぬこ(プロフ) - 面白かった……( ゚д゚)でも赤井さんがいなくてちょっと寂しかったのと、ランボさん見たかった(´・ω・`) (2019年4月1日 19時) (レス) id: a359276646 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - やっさんさん» ありがとうございます! ボンゴレの在り方に関しては原作後の話なので想像になりますが、とにかく、ありがとうございます! (2019年3月7日 21時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» 話に引き込まれるように読みました!ボンゴレについては、原作は読んでいませんが、マフィアと言うより、規律の厳しい正規軍!?という感じですね。それにしても、ボンゴレ桁外れの力です滝汗。確かに、黒の組織等、赤子同然かも・・・。 (2019年3月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 芳香さん» そう言っていただけると嬉しいです! 光栄です。・゚・(ノД`)・゚・。 ありがとうございます!! (2018年2月3日 11時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さにー☆彡 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時:2017年11月11日 20時