【ONE PIECE】元日本人は、エースの兄貴になったらしい�◆效房隋�

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“あなたは悪くない”か……。


おれは目を伏せると、口だけで微笑む。


それはきっとおれの、1番欲しかった言葉で。


できれば1番、言って欲しくなかった言葉だ。



さすが、天才。


なんだってお見通しか。



「……届けてくれて、ありがとう、エース。


ごめんな、お前らが辛い時に……そばにいて慰めてやることもできねぇ」



それは全ておれ自身が弱いせいだ。


過去に囚われて、現在に囚われて、身動きが取れなくなっているせいだ。



しかしその言葉に、エースは眉を寄せると、低い声で言う。



「何を全部背負おうとしてんだよ、バカ兄貴」


「エース？」


「兄貴がそんなんじゃおれはともかく……ルフィがまた泣くだろ！」



言われて自分の手を顔に当てる。


きっと能面のような無表情に、形だけの笑みが貼り付けられているんだろう。


確かに、こんなんじゃ……兄貴失格だよな。



でもなエース。


おれはサボを死なせてしまった時点で、兄貴失格なんだよ。



「おれのせいだ。おれのせいなんだよ、エース」


「……！？」


「もう二度と繰り返さないって決めたのに。おれは、また繰り返しちまった。


同じ罪を、同じように」



さくらのときも、もう誰も死なせないと誓った。


それなのにあかりと自分が死んだ。


つくづくおれは誓いを破りたいたちらしい。



だがエースはおれを睨みつける。



「…あの女は……シェリルは、


兄貴にそんな顔させたくねェから、これを届けに来たんじゃねェのかよ」


「え、」


「おれは兄貴やサボと違って頭は悪ィけど、それくらいはわかる。


あの女が兄貴の何を知ってるかもわからねェ……でも」



エースはおれの手元の手紙を指さした。



「そんな顔すんのは、それ見てからでいいんじゃねェのかよ」

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