21 【NOside】 ページ22
夜が明けて。
一晩中木にくくりつけられていたエースは、ドグラから貰った1通の手紙を手にして、
3人で、兄に見守られながら、出航を誓ったあの岬へ向かっていた。
あの日々はもう帰ってこない。
兄Aは、泣きもせず、エースやルフィを宥めてから、1人部屋に閉じこもったままだと聞いた。
ドグラから話を聞く前に、居間に戻ってきたと思ったら、
既にあの時から、兄の表情は死んでいた。
もう先に、探偵として、部下から何かを聞いていたのかもしれない。
兄の能面のような無表情を思い出して、エースはサボからの手紙を握る。
何もできない自分が悔しかった。
「サボ、どうして…」
死んじまったんだよ、とは。
誰にも聞けない
「あの、」
不意に背後から聞こえた、鈴を振るような可愛らしい声に、エースは振り向く。
そこに立っていたのは、彼より1つ2つ年上の、金髪に
儚げな美少女。
見たことがある、と思った。
兄貴の、部下だ。
「ポートガス・D・エースさん、ですね」
「お前、兄貴の」
「これ、を」
あわてて追ってきたのだろうか。
肩で息をしながら、兄の部下__シェリルは、1通の封筒を手渡した。
『A兄ちゃんへ』とサボの字で書かれた封筒。
盃を交わした兄弟とは別の、3人全員の憧れ。
Aだけは少し立場が違うから、別に書いたのかもしれなかった。
「あなたは、彼を、まだ“知らない”から」
「はァ?」
「彼に、あなたは悪くないのだと、伝えて下さい。でないと…彼はいずれ壊れてしまいます」
「なんでそんなこと」
お前が知ってるんだよ、と聞こうとして。
シェリルの眸を見て、エースは息を呑んだ。
「今この世界では、私だけが“知っている”のですから」
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やっさん - あれ?ただの転生物語のはずが!?夢主が、巨大企業の社長に!?続きは・・・?? (2019年3月7日 21時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 秋宮 鈴歌さん» 3です!!私も短い連載にするつもりが長くなりそうで(´º∀º`)ファーwってなってます!w これからもよろしくお願いします!! (2017年3月31日 21時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
秋宮 鈴歌(プロフ) - もうすぐ3ですね!!まさか最初は短めに終わるのかなと思ってましたが、続き……。ナンテコッタイ\(^o^)/ってなってます!!続編おめでとうございます!!これからも見続けますね!!! (2017年3月31日 21時) (レス) id: 98d4f145f0 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!頑張って書きますのでよろしくです! (2017年3月29日 8時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - さにー☆彡さん» えーー このあとどうなるの すごくきになります (2017年3月29日 8時) (レス) id: 8690baa923 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sunny | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時:2016年12月25日 6時