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知「大空さんにこの話を持ち掛けたのも、無謀だってわかってるよ。突然話したこともないヤツに付き合おうって言われても、困るよな」
「んっとまぁ…知念くんのことよく知らないし。知念くんは好きな子いないの？」
知「いないな。正直大空さんに恋愛感情があるわけでもない。だから無茶は承知だよ」
わたしももちろん知念くんに恋愛感情はない。
断ったって咎められることもないだろう。
でも、なんだろうな。
わたしも彼氏が欲しかった。
知念くん、顔いいし…性格は、付き合ってみないとわからないけど。
自由でいられるのは高校まで。
その言葉がなぜだか深く突き刺さった。
知念くんに同情する義理はないけれど、将来に縛られる前の今の期間を楽しませてあげられたなら。
「わたしでいいの？」
知念くんは意外だというふうに目を見張る。
だって、わたし突出してるわけでもないし…平凡女子だし。
知「うん。名前を知ってから大空さんのことを見ていたけれど、うまくやれそうな予感がするんだ」
知念くんに見定められてたのか。
まあ付き合う相手を探すんだから慎重になるか。
「わかった。高校の間、わたし知念くんと付き合うよ」
そのとき知念くんは―――本当に安心したように笑ったんだ。
知「ありがとう。これからよろしくね、A」
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作者名：わたあめなのは
| 作成日時：2022年11月4日 11時
