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「…わたしの方が好きじゃん」
伊「ええ?」
二股状態だから、わたしを奪おうと気を引いてきている可能性もある。
彼氏と別れた、って言ってみようか?
わたしが慧のものだって満足すれば、気持ちが冷めていくかもしれない。
慧の気持ちを試させて。
「慧、わたしね、彼氏と別れたよ」
慧の目が見開かれる。
それから、ほにゃりと。
伊「よかったぁ」
そんなふうに心から嬉しそうに笑わないでよ。
わたしの胸が痛むばかりだ。
慧の純粋な気持ちを試した、わたしが悪い女みたい。
「…だからね、慧にフラれたら嫌なの」
伊「なんでフラれるの前提なの?好きだよAちゃん」
「本気になってのめり込んで、裏切られたくないの…」
わたしの本音はそれだ。
こんなに好きにさせといて、やっぱやめた飽きた、なんて言われたら。
慧に優しく抱きしめられた。
伊「Aちゃん、俺のこと好き?」
「はっ?好きじゃなかったら付き合ってない」
小悪魔くんにたぶらかされたこと、ほんとは嬉しかった。
君に興味があった。
他の女の子と違う扱いをしてくれて、特別に思ってくれて夢みたいだった。
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年11月2日 16時