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これで伊野尾慧に話しかけられることは二度とないだろう。
小悪魔くんとの一晩は楽しかったよ。
伊「あっ、せんぱーい」
手を上げてヘラヘラと。
こっちに来る人物はたしかに伊野尾慧。
「昨日もお付き合いしましたよ?」
伊「へ?そうだね、先輩可愛かったね」
あれ?記憶がある?
一度抱いたら忘れちゃうじゃないの?
伊「ねえねえ次いつする?」
「はい?」
伊「んふ、俺A先輩のこと気に入っちゃった」
わたしの名前も覚えている。
「…そんなことある?」
伊「??なにが??」
「わたしが聞いた話だと、ワンナイトしたらもう用無しって」
伊「あー、そうだね。今までの女とはそうだったかも?」
あざとく首なんてかしげちゃって。
伊「だって顔も名前も覚えてないもん」
「…最悪」
悪気なくさらっと言ってくるし。
伊野尾くんに手を取られた。
伊「そんだけ先輩が特別だってことだよ」
「…」
それは、どこまで本気?
わたしはこの男を、完全に信じきれない。
噂で聞いている素行がそうさせる。
彼は遊び人。
体の相手が欲しいだけ。
飽きたらさっさと乗り換える。
だから本気になんてなってはいけない。
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年11月2日 16時