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信じたい。
ここで裏切られることが一番悲しいけれど。
わたしは慧を信じたいし、まだ好きでいたい。
伊「…もし、Aちゃんの気が治まらないんだったら、俺と別れてくれていい。だって、今がどうあろうと、最初はAちゃんをハメる気でいたんだから。最低なことしようとしてたんだから」
慧が演技をしているとは思えない。
その証拠に。
「…なんで泣いてるの?」
慧が泣いてるところなんて、初めて見た。
伊「…それはAちゃんもだよ」
え?わたし、泣いてる?
頬に触れると水。
伊「Aちゃん。俺はAちゃんが好きです。俺とまだ、恋人でいてください」
頭を下げられる。
こんな、こと。
「や、頭、上げてよ」
伊「なにしてもAちゃんを傷つけたことに変わらないってわかってる。でも俺の想いだけは知ってほしいんだ」
「慧、慧、もうわかったから」
慧の肩に触れる。
震えていることに気づいた。
ぎゅっと抱きしめる。
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年11月2日 16時