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わたしと向き合う。
伊「最初は、シンジさんに言われたとおり、Aちゃんのこと弄んでやろうと思ったよ。でもね、だんだん、Aちゃんにマジになってきて。気づいたら、本気で好きになってた」
シンジから汚い笑い声があがった。
『いい芝居続けてくれるね。Aはこいつと付き合えて楽しかったかよ?ぶち壊された気分はどうだ?』
「…最低」
シンジも―――慧も。
ぐちゃぐちゃしてた頭が一気に冷静になった。
最後の一歩を踏み出す前でよかったわ。
まだ取り返しのつく段階で。
「わたしも慧のこと本気じゃなかったし」
『負け惜しみかよ』
「違うよ。ほんとに」
慧が悲しそうな顔をしたけど視界に映さないようにした。
やっぱり、わたしの勘は当たってた。
慧は本気でわたしを好きじゃなかった。
この最低男の指示に従ってただけ。
「じゃあね、慧。遊んでくれてありがとう」
伊「Aちゃん、俺マジで…」
「2人とももう話しかけてこないで」
慧の息を呑む音が聞こえた。
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年11月2日 16時