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慧と放課後デートしていたときだった。
見覚えのある男子と目が合う。
そいつはわたしに気づくとこっちに来て。
『久しぶりだね、A』
「…シンジ」
ニヤニヤと下品な笑みを浮かべる、この人は。
わたしの元カレだった。
シンジはわたしと慧のつながっている手を見た。
『仲良くやってんねぇ』
「…彼氏だからね」
『彼氏!』
シンジは弾けるように笑った。
『教えてやれよ、伊野尾』
え…?慧と知り合い?
慧を見たら、冴えない表情で震えていた。
良くない関係なんだとすぐにわかった。
ぎゅっとつないだ手に力を込めてあげる。
『そいつは俺の復讐のためにおまえに近づいてもらったんだよ』
―――なに言ってんの?
付き合う前は知らなかったけど、シンジは素行が悪くて。
良くない人たちともつるんでて。
怖くなって、わたしから別れを切り出した。
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年11月2日 16時