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第37夜 ページ37

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「あのさぁ、さっき、つっちーの腕咄嗟に掴んでたろ?あれってなんか関係ある?」


誰かに置いて行かれたくない気持ちの表れとか。


「…ああ。我は待ち合わせに良い思い出がない」

「よければ聞かせて?」

「…中学の頃。我は勇気を出して、クラスメートに声をかけた。遊ぼう、と」


ものすごい緊張してたんやろうなぁ、と想像。


「いいよと言われたとき、すごく嬉しかったことを覚えている。女子何人かで、休日出かけることになった。前日は嬉しくて眠れなくて。…だが当日、待ち合わせの時間になっても誰1人現れなかったのじゃ」

「…誰かに連絡取らなかったの?」

「先程申した通り通信ツールは所持しておらんかったし、クラスメートの連絡先も知らなかった。だから我は、もしかしたら遅れて来るのかもしれないと、ずっと待ち続けていた」


だが、夕方になっても現れず、帰ったという。

翌日、約束をしていたクラスメートに声をかけた。

すると、「なんのこと?」と、集団でとぼけられたという。


「明らかに確信犯じゃった。我は、ショックで、ショックで。それから誰かと待ち合わせをすることが怖くなった。約束を反故されたらどうしようと、トラウマになっていた。まぁ、その後我に友人などできなかったし、そんな機会もなかったがの」

「…ひどいね」


俺にもっと語彙があれば、Aをうまく励ませられたかもしれない。

A、可哀相すぎるよ。

いたいけな女の子なのに、からかわれるなんて。

そういう、いじめの対象だったんだろうけど。


「その黙示録をきっかけに、我は人間不信になった。誰も信じられなくなった。信じて、裏切られることが怖い」


だからさっきも、つっちーと待ち合わせをすることに、反射的に怯えてしまっていたんだ。

もしかしたら、つっちーが待ち合わせ場所に来ないかもしれない。


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聖也(プロフ) - 中二病をこんなにも可愛い女の子に変えられて、しかもボイメンと違和感なく恋愛させられる。純粋に文章力が凄いなと思いましたし、でら面白かったです!! 中二病舐めてたわ…。まーかん。 (2017年3月1日 1時) (レス) id: 34ecd099f6 (このIDを非表示/違反報告)
麗稚-ライチャム//-(プロフ) - 完結おめでとうございます!すごく面白かったです!!新作楽しみに待ってます♪ (2016年11月29日 6時) (レス) id: 53c0909868 (このIDを非表示/違反報告)
*°ゆゆたむ°* - なぁさん» 完結おめでとうございますー!!また次も楽しみにしてますね♪ (2016年11月28日 23時) (レス) id: df57cd76b1 (このIDを非表示/違反報告)
*°ゆゆたむ°* - なぁさん» ですよね!金欠なので嬉しいです(笑)そうですね〜♪ 会えるか微妙なところですが会えたらぜひぜひo(*゚∀゚*)o (2016年11月23日 19時) (レス) id: df57cd76b1 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - *°ゆゆたむ°*さん» フリーライブめっちゃいいですよね(o´∀`)bお会いできたら嬉しいです~(*´ω`*) (2016年11月22日 18時) (レス) id: 02dc89fba4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぁ | 作成日時:2016年10月21日 20時

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