第33夜 ページ33
雅斗side
じっと視線を感じるけど、あえてスルー。
もう少しAの視線を独り占めしたいななんて。
.
罪悪感で俺を気にしてるAも可愛いし。
だからこれはちょっとした罰かな。
「あの…雅斗」
あ、やっと来た。
そうそう、熱烈な視線を送るだけやなくて、話しかけてこないとね。
意地悪な俺は対応してあげませんよ。
「すまない。その、そなたを選んであげられず」
A、俺が好きなこと気づいてたんや。
流星群の日、あんだけええ感じやったもんな。
けれどAが選んだのは、つっちー。
俺の純情は踏みにじられた。
なんてね。
勝手に期待してたのはこっち。
「来て」
「え…」
Aを促して、俺の部屋へ連れ込む。
俺の部屋で2人きりは初めてか。
「俺は傷心しましたよ」
「うう…すまない」
本当にすまなさそうに俺を見てくるA。
「てっきり俺になびいてくれるかと思ったんやけどね」
俺はAの肩に手を置いた。
「…怒っておるか?」
Aは俺の様子を窺う。
怒る…とは違うか。
俺が勝手にふてくされてるだけやから。
「きっと俺の好きは、つっちーのとは違うよ」
《本気の好き》じゃない。
2人がお互いに持ってる気持ちとは全然別物で。
軽い気持ち。
付き合ってくれたらいいなって。
でも。
付き合っているうち、本当に好きになってたかもしれないけど。
「元々おまえがつっちー好きってわかってたうえでやったから。望みが薄いことくらいわかってた」
「雅斗の気持ちは嬉しかった。けど我は、拓海がいいのだ」
「うん、それ聞き飽きた」
Aがショックを受けた。
クールを装った表情が崩れるとき、可愛いなって思う。
最近はそれも増えてきた。
…つっちーの影響でな。
「けどなー、Aがそこまで罪を償わせてほしいって言うなら」
「う、うん?」
「目ぇつぶって?」
Aは流されるまま目を閉じた。
びびってんなぁ。
なにされるかわかんねぇしな。
俺はそのままAに顔を近づけて。
「―――」
ちゅっ
ぱちりと、Aの目が開けられる。
「え…///」
顔、赤いし。
そこまで動揺することやないでしょ。
―――おでこやし。
「よし、許す」
「あ…どうも」
Aはまだぽーっとしとる。
思わず笑った。
あ、そーだ。
最後に意地悪してやろ。
スマホを操作。
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聖也(プロフ) - 中二病をこんなにも可愛い女の子に変えられて、しかもボイメンと違和感なく恋愛させられる。純粋に文章力が凄いなと思いましたし、でら面白かったです!! 中二病舐めてたわ…。まーかん。 (2017年3月1日 1時) (レス) id: 34ecd099f6 (このIDを非表示/違反報告)
麗稚-ライチャム//-(プロフ) - 完結おめでとうございます!すごく面白かったです!!新作楽しみに待ってます♪ (2016年11月29日 6時) (レス) id: 53c0909868 (このIDを非表示/違反報告)
*°ゆゆたむ°* - なぁさん» 完結おめでとうございますー!!また次も楽しみにしてますね♪ (2016年11月28日 23時) (レス) id: df57cd76b1 (このIDを非表示/違反報告)
*°ゆゆたむ°* - なぁさん» ですよね!金欠なので嬉しいです(笑)そうですね〜♪ 会えるか微妙なところですが会えたらぜひぜひo(*゚∀゚*)o (2016年11月23日 19時) (レス) id: df57cd76b1 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - *°ゆゆたむ°*さん» フリーライブめっちゃいいですよね(o´∀`)bお会いできたら嬉しいです~(*´ω`*) (2016年11月22日 18時) (レス) id: 02dc89fba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぁ | 作成日時:2016年10月21日 20時