管理人は厨二病

第19夜 ページ19

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田村side


俺めっちゃ思うことがあるんだけどね。

雅斗ってAに惚れちゃったんじゃないかなぁって。

だってあのときさ、明らかにつっちーの出番だったじゃん？

なのに自分がおいしいとこ奪っちゃった。

つっちーは、それに気づいてる？

気づいてたら、止めに入ってたよね。

あーあ、そんなんだとねぇ。


―――いつかAに愛想つかされるよ？



トントン、とドアをノックした。


「…はい」


現れたのは黒髪で小柄な女の子。


「え、A？」

「…いかにも」


驚いたら怪訝そうな顔された。

ごめんよ！

だって普段と違うんだもん…。


「なんだー、このままで可愛いじゃん」

「我のアイデンティティーを否定するな」

「してないよー。ね、入っていい？」

「夜に乙女の聖域に踏み込みたがるとは…魂胆しか見えんが」


見た目は違っても、中身はしっかりAだった。


「ちょっと話があんの。みんなに聞かれたくないからさ」

「…わかった、聞こう。入れ」


すっげぇ簡単に入れたんスけど。

警戒心ないなぁ。

騙されやすい。


Aの部屋は…うん、Aの部屋って感じだった。

コテコテの厨二病ルーム。

ベッドに天蓋がついててゴージャス。


「それで、話とは？」

「うん。今日Aの話聞いてさ、Aへの見方が変わったんだ。俺だけじゃなくて、みんなも」

「…そうか」

「落ち込まないで！いい方向にってことだよ！」


Aってネガティブに考えちゃうところあるよね。


「俺はすっごいAがいい子だなって思ったし。これからも力になれたらなって思うよ」

「ラブ・フール…心優しき青年だな」


これを機にフールから呼び名を改めてくれたりするかな？


「それでさ…どうしてもつっちーがいいの？」

「え？」


俺はAをベッドに押し倒した。

性急すぎ？

ううん、だって夜だもん。

Aは無防備だし、そこにベッドがあったからさ。

Aは目を見開いて俺を見ている。


「俺結構Aのこと気に入っちゃった」


Aにキスをする―――。


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