第16夜 ページ16
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小「それで世界を破壊したいほどのストレスに…」
「…それだけではない」
「「え?」」
「こんな我を、唯一認めてくれた存在がいたのだ。我の母親だ」
Aは視線を落としたまま語り始めた。
「だが、我の母親は病弱でな。何度も入退院を繰り返しておった。だから否応なしに、我が料理をしなければならなかった」
「母親だけが、こんな我を支えてくれて。―――だが、病状が悪化し、帰らぬ人となってしまった。それも我が狂った原因じゃな」
「本当にひとりぼっちになったから、世界なんていらないと、強く思った。母親を天に召した神を、許さなかった。もうすべてを、破壊したくてたまらなかったんじゃ」
俊「おまえの父親は?」
「父親は健在じゃ。我を否定したりもせんし。だが、仕事人間であったため、ほとんど会話をしなかった」
母親という要を失ったAは、『わけのわからない行動』をとるほど、壊れてしまっていた。
―――心が痛いよ。
田「え、あれ、じゃあ待って」
タムタムが挙手した。
田「俺らのファンだったんでしょ?一応Aを支える存在になってたんじゃないの?」
「一方通行にすぎんからな。確かに心救われていたが、そなたらからすると我のことはなにも知らなかったじゃろ?」
Aはつっちーを見た。
「我がそなたらを知ったのは、終焉へ誘う招待状を配布していたときじゃ」
勇「チラシ配りしてたときだね」
Aはうなずく。
「バイト仲間にいじめられて涙をこらえながら歩いていたときに。アダム、汝から招待状をもらった」
土「…そっか。俺たち、会ってたんだね」
「覚えておらんだろうな」
土「…ごめん」
「よいのだ。一度会っただけの見知らぬ女など、いちいち覚えておらん」
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聖也(プロフ) - 中二病をこんなにも可愛い女の子に変えられて、しかもボイメンと違和感なく恋愛させられる。純粋に文章力が凄いなと思いましたし、でら面白かったです!! 中二病舐めてたわ…。まーかん。 (2017年3月1日 1時) (レス) id: 34ecd099f6 (このIDを非表示/違反報告)
麗稚-ライチャム//-(プロフ) - 完結おめでとうございます!すごく面白かったです!!新作楽しみに待ってます♪ (2016年11月29日 6時) (レス) id: 53c0909868 (このIDを非表示/違反報告)
*°ゆゆたむ°* - なぁさん» 完結おめでとうございますー!!また次も楽しみにしてますね♪ (2016年11月28日 23時) (レス) id: df57cd76b1 (このIDを非表示/違反報告)
*°ゆゆたむ°* - なぁさん» ですよね!金欠なので嬉しいです(笑)そうですね〜♪ 会えるか微妙なところですが会えたらぜひぜひo(*゚∀゚*)o (2016年11月23日 19時) (レス) id: df57cd76b1 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - *°ゆゆたむ°*さん» フリーライブめっちゃいいですよね(o´∀`)bお会いできたら嬉しいです~(*´ω`*) (2016年11月22日 18時) (レス) id: 02dc89fba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぁ | 作成日時:2016年10月21日 20時