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―――後日。
裕翔と撮影した雑誌が発売された。
『はじめまして、ゆとAです』なんて煽り文がどどんと載ったツーショ。
何カットか撮ってもらったんだけど、もっと近づいて〜なんて指示されて、裕翔がリードしながらポーズ決めてくれて、あらゆる意味でドキドキしてた。
めちゃくちゃ密着したヤツとか撮ったし。
裕翔に触られるのビクビクして、わたしの表情堅い。
笑って、って言われたけど無理すぎて、そしたら裕翔がこいつクールなんで、ってフォローしてくれた。
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友達もわたしが載ってる雑誌買ってくれた。
『Aもついにモデルデビューか』
「違うって」
裕翔の彼女…として、載せてもらっただけです。
けど、スタッフさんに、話は持ちかけられたんだよね。
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―――裕翔の撮影を見学させてもらう。
雑誌に載ってるところは見てるけど、撮影のときからかっこいい。
表情がプロい。
日常生活で見たことないわ。
『はい、チェックします』
カメラマンさんがそう言って、裕翔もそっちに行く。
わたしの近くがバタつき始めたから、ここにいていいのかなって挙動不審になっちゃって。
1人でいるの、心細くなって。
写真確認してる裕翔の腕を取った。
裕翔は驚いた素振りを見せたけど、肩に腕を回して抱き込んできた。
触られるのはドキドキしたけど、わたしを輪の中に入れてくれた。
写真見せてくれたけど、全然頭に入ってこなかったよ。
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年11月1日 16時