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「きんちょ、してる…」
好きだって強く伝えられたことも、好きかもって強く思ったことも、今までないんだもの。
「わたし、でいいの?」
中「もちろん。A、俺と付き合って」
躊躇いがちに広げられた腕。
わたしは、ゆっくりと、その中に納まった。
中「Aのことは俺が変えていくよ。ゆっくりでいいから、俺に慣れていってほしい」
こくっとうなずく。
裕翔になら、触られてもいいって思えるようになる気がするの。
こんなにも優しい人だから。
後頭部をぽんぽんされてびくっとする。
裕翔は気づいて、それ以上触れてはこなかった。
でもわたしから、裕翔の胸に頭を触れさせている。
これは、平気。
『カップル成立おめでとう!』
リュウジくんの空気読めないお祝いの言葉に我に返る。
カップル成立…。
裕翔は、わたしの彼氏。
初めての彼氏は、柔らかな笑顔を浮かべている。
わたしもふっと笑う。
裕翔の前ではもっと素直になりたい。
そんなふうに思うよ。
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作者名:わたあめなのは | 作成日時:2022年11月1日 16時