たぴくんとモカちゃん２ (ページ13)

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家に着くと一緒にシャワーを浴びて、裸のままベッドへ。

そろそろ日付が変わる。

渡「―――お誕生日おめでとう、A」

一番最初に、Aの誕生日をお祝いしたかったんだ。

Aは顔をメンバーカラーに染めて。

「ありがとうございます、翔太くん」

唇を重ねる。

「これで四捨五入したら30歳になっちゃいました」

渡「俺なんて今年リアル30よ？」

「ふふっ、見えない」

笑う、けど、ふと真顔になって。

「わたし、いつまでアイドルやれるかな？いつまで許されるかな？」

アイドル、特に女性の賞味期限なんてものは、短い。モカちゃんもその壁にぶち当たってるんだろう。

「アイドルをやるのは、30までかなってボーダーを考えてて。それまでは全力でやろうって思ってるんですけどね。その後のこと、なにも考えられなくて。アイドル以外にわたしがやりたいことってなんだろう。全然思いつかないんです」

Aの手が俺の頬を撫でる。

Aが悩み事を告白してくれたのは初めてだった。

楽しそうにアイドル活動をしながら、裏で色々と考えてた。

これからのこと、将来のこと。

誕生日なんて幸せでいなきゃいけない日に、Aのつらそうな顔なんて見たくない。

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