すのぴ７

うまくいかない ページ7

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阿部side




自分の収録が終わって、エントランスで待機。

Aも、番組は別だけど、今日同じテレビ局で収録なんだ。

俺の方が早く終わるってわかってたから、サプライズ待ち伏せ。

そろそろAも上がってくる頃だと思うんだけど。


あ、来た。




阿「A、お疲れ様」

「…亮平」




あれ。

様子がおかしい。

Aは俺の片手をぎゅってした。

もう片方の手でAの手を挟む。




阿「嫌なことあった？」




こくっとうなずく。




「わたし、なんでああしなかったんだろうって後悔することが多くて。逆にああしなければよかったって病むこともあって」




今の収録で失敗しちゃった、ってことなのかな。

Aは繊細で病みやすい部分もあった。


ここで話すと誰が聞いてるかわからないから。




阿「A、場所変えようか。俺んちがいい？それともAんち？」

「わたしの家…」

阿「うん、移動しよ」




車に乗り込んでAんち。

後部座席に並んで座って、俺の方に体を傾けてきたから俺もそうする。

手はしっかりとつないで。


Aのマンションに到着する。




阿「どこでお話ししよっか。リビングのソファ？それともベッド行く？」

「ベッド…」

阿「服は着たまま？脱いじゃう？」

「裸がいい」




Aが話しやすい環境を整えて。


裸でベッドに潜って、ぎゅっと指を絡める。




阿「ん、話してごらん？」

「…今からわたしは愚痴を言います。わたしに同意して。否定とか躱したりとかしないで」

阿「わかった」




Aの話によると、スタッフがミスをして、Aが仲介に入ったことにより現場監督に怒られたらしい。




「わたし、余計な口出ししない方がよかった。いつも判断間違える」

阿「そんなことないよ。Aは優しいから、見過ごせなかったんだよね」

「でも、スルーしてたらわたしはここまで嫌な気持ちにならなかったかも」

阿「Aが指摘したからスタッフのミスが最小限になったんだよ」




収録は事なきを得て終了したみたい。

確かに現場監督を巻き込む大事にはなったけど、スタッフの負担が減らせたんだよ。




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