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花火はクライマックスを迎える。
連続で打ち上げられる花火に、ますます夢中になって。
開かれた唇に、ロックオンする。
俺はAにキスしていた。
「…」
Aは固まった。
視線は、花火に固定されていたけれど。
俺も、クライマックスを見届ける。
あんまり花火、見てへんかったな。
花火が終了し、人々が捌けていく。
やけどAは、固定されたようにその場に立ち尽くして。
―――やっちゃったな。
Aには、流星おるのに。
手を出してしもうたんはきっと、花火のせい。
Aはきっと俺のこと、見たくない。
一緒におりたくない。
神「…流星呼んで迎えに来てもらう？」
するとAの眉間が動き。
ようやく俺のことを瞳に映す。
「神ちゃんが送って」
…ずるいなぁ。
俺にキスされたくせに、そっちから誘惑して。
神「…嫌やないの？」
「…びっくりしたけど」
服の裾を掴まれる。
距離が縮まって。
視線を落として黙り込んでしまったA。
ここで攻めるのは、絶対によくないな。
流星からAを奪いたいわけでもないし。
神「…帰ろうか」
「…うん」
神「ほんま、気にしないで」
「神ちゃんが言うなら、そうする」
だいぶ信頼されてんな。
そんだけ、Aのこと大事に守ってきたのに。
だって、Aが可愛いから、いけない。
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作者名：わたあめなのは
| 作成日時：2022年6月3日 15時
