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説明したら、Aはきょとん顔したまま自分の中で嚙み砕いとるようやった。
「今のうちが一番かわええの？」
はい、きた。
A自分で気付いてないけど、そういうの上目遣いで言うんやないよ。
こっちはスペシャルかわええしか言えんくなるからね。
自分のこと可愛い？って聞いてくるあたりもな、他のヤツならは？って感じやけど、Aは素直にかわええからな。
Aだけに許される。
重「そう。Aにも理想の体型はあるのかもしれんけど。俺らは今のAがええなって思うし、ダイエットもしてほしくないし、人と比べてコンプレックスやって思ってほしくない」
「…なんか大毅すごい」
重「すごい？」
「まじめに答えてくれたなって」
電車が来たので乗り込む。
座ろうかなーと思ったけどAに手を引かれてドアのところ。
立ってた方が健康的やしな、Aどっかで空いてても立っとるって言ってたの覚えてた。
そのまま手をつないだままで、距離近いなぁ。
Aのまつげが目の下に影を作っとるのが見える。
綺麗、だよなぁ。
Aの身長が高かったら、もしかしたら見れんかったかも。
Aがこの身長やから見られる部分がたくさんある。
つむじだったり、鼻先だったり。
それから、ふと目線を上げたときの―――。
目が合ってドキッとした。
「大毅？」
重「ん？おう、ずっと手ぇつないどんの？」
「…ダメ？」
流星おるからダメやろ、って突き放すには十分な理由やけど。
俺が個人的に、Aと手をつないどりたかった。
重「Aんちまで離さへんよ」
「ふふ…ええよ。恋人つなぎしとこか」
積極的に指を絡めてくる。
「指も細くなりたい…」
重「ええやん、Aの指って感じで(にぎにぎ)」
「もしかして大毅、ぽっちゃり系のが好きなん？」
重「Aはぽっちゃりやないし、Aって名前の体型なの」
「なんやねんそれ」
重「そんままのAが好きってこと」
「…あんがと」
素直に照れちゃうとこも可愛くてねぇ。
人前やなかったら抱きしめとったわ。
Aんち着いたら、ちょっと上がらせてもらって。
ぎゅうって両手いっぱい抱きしめさせてもろてもええかな。
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作者名：わたあめなのは
| 作成日時：2022年5月12日 14時
