私と彼らの恋祭 (ページ36)

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夏祭り② ページ36

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19時になり、グラウンドの照明が消える。

生徒がざわついていると、屋上にスポットライトが当たった。

わたしたちはこの日のために用意した衣装に身を包み、各自の太鼓の前に移動した。

グラウンドから生徒の声が聞こえる。

生徒会役員が用意した、サプライズプログラム。

和太鼓演奏。

「「「「「「「「はっ！」」」」」」」」

ドドン、と和太鼓の音が響く。

夜の空に、グラウンドに、ご近所に。

そして、わたしの体に。

生徒会の仕事が終わって、夜に和太鼓を習いに行ったの。

練習中は筋肉痛がすごくて、マメもできて痛みとの戦いだった。

みんなもつらそうだったけど、ひとつのものを作り上げたいって思いは一緒。

みんながいれば、どんな苦痛も平気だった。

生徒たちが無言で、口を開きながら、わたしたちを見上げている。

ドンドンと和太鼓の音だけが響く。

隣に仲間がいるから、怖くない。

驚くほどの集中力で叩いて。

最後の一振りが、綺麗に揃った。

一拍の間のあと、グラウンドから拍手と歓声が上がった。

とたん、現実に戻ってきた。

わたしたち―――やり切った。

気づけば息が上がって、両腕が痺れていた。

演奏中は全然わからなかったのに。

寺「以上、生徒会役員による和太鼓演奏でした！」

お辞儀をすると、一層歓声が盛り上がる。

わたしたちは屋上をあとにした。

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