your trap�� ページ15
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陸人くんに本を預けて、図書室を出る。
あ、しまった。
廊下は図書室と違って人が…。
「統威くん、下ろして」
横「だーめ。歩けないでしょ」
「もう歩ける！」
横「嘘だね。大人しくだっこされてな」
誰もが知ってる生徒会役員にお姫様だっこされてるとあって、視線が痛かった。
女子なんかにはひそひそ言われてるし。
これは敵に回してしまうんじゃ…。
保健室まで運ばれた。
横「あ、先生不在。ラッキー」
「え？ラッキーとは？」
横「Aに色々し放題じゃーん？」
「!?」
保健室に入る。
誰もいない。
そのままベッドに横にされた。
横「しばらく休んでなよ。あとで迎えに来る」
上履きを脱がせて、布団までかけてくれた。
わたしは統威くんをじっと見た。
横「なに？俺がいなくなったらさみしい？」
「さっ、さみしいとかじゃないよ！」
横「ま、せっかく保健室に２人きりだし、やっちゃうか？」
ベッドに手をついて、統威くんの顔が迫ってくる。
ま、待って、わたし動けないんですけど!?
図書室のときみたいに遊び心じゃない、明らかに意図的な接触。
きっと未遂に終わる、からかってるだけだ。
わたしは慢心していて。
だから、本当にキスされるなんて思ってなかったの。
「―――」
びっくりしすぎると、声なんて出ないんだね。
統威くんの顔が離れていく。
横「実はまだ仕事終わってないんだよね」
「…は、ぁ？」
統威くんは舌を出しながら。
横「陸人とやらしいことしてないか、様子見に行ったの」
「えっ？しないよ！あの陸人くんだよ！」
横「あはは、俺の妄想だったわ」
統威くんは、仕事サボって図書室に来てたってこと？
そして現在進行形でサボってるってこと？
あーあ、頼我くんに怒られろ。
横「やらしいことしたの、俺たちの方だった」
「!?」
横「じゃ、またね。ゆっくりしてな」
統威くんは逃げるように去って行ってしまう。
わたし、頭爆発するかと思った。
からかうなんてレベルじゃない。
布団を頭までかぶった。
とりあえず熱が引くまで、保健室から出られそうにない。
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作者名：なぁ
| 作成日時：2018年6月15日 20時
