【Fischer's】私とお隣さんの事情

21話 ページ21

『ごめんね、あんまり対した料理出せなくて』

「いや、ご馳走してもらえるだけでも
ありがたいですから」

...マサイに私の手料理を食べてもらう
人に料理を作ったのは、何年ぶりかな...

オムライスとオニオンスープを作った。
外見はおかしい所はないけど...
.......味の保証は、出来ない

マサイは、「いただきます」と言って
オムライスの一口目を口に入れた。

「.......うん!!美味しい!!」

『ほ、本当に?』

「はい、俺...最近あんまりしっかりと飯は
食べてなかったから...すげー美味いっす!!」

マサイは笑顔でそう言った

.....嬉しいな、そんな風に
言われたこと一度も無かったから...

その後、いい食いっぷりでスープも全部
完食してくれた。


......................................................


マサイが食べ終えた、お皿を洗ってくれてる間に
私は書類の製作をしている
やっぱ...ブラックの珈琲、美味しいな.....

「Aさん、ブラックなんですね」

そこに洗い物を終えたマサイが
私の肩に顔を乗っけてきた。

『うん、甘い物は人並みに好きなんだけど
珈琲に砂糖とミルクはちょっと...ね』

.....珈琲の事は今はどうでもいいんだけどさ...
私とマサイの距離、近すぎじゃない?

.....いや、今はそんな事より仕事だ.....
私は、自問自答をしながら
パソコンに目を向けたその時

「...あ、俺と同じソフト使ってる」

マサイがそう言った。
パソコン何台も持ってたら、そりゃあ...被るか

『私のもう一台のパソコンにも
同じソフト入ってるよ』

...もう一台は、曲作ったりしてたっけな...
ま、口が裂けても言えないけど

「え、Aさん作曲も出来るんですか」

...ヤッテシマッタ、声二出テタ.....

『.........一応、ギターとかでやってた』

「ちょっと、見せて下さい!!」

...やっぱりそうなるか.....

『....そこにあるタンスの奥底にあるから
ま、なだれに気をつけ...』

私の言葉を遮るように、ｶﾞｼｬｧｧｧﾝという
音が鳴った...遅かったか...って
え、待って...大丈夫マサイ!?

私は急いで駆けつけると

「.......っあ、これか!!」

マサイは笑顔で私のギターケースを触っているけど
絶対に怪我してるはずだ...

『マ、マサイ...ちょっと来て』

マサイは「...?はい」と言って
ギターケースを置いて
私に近付いて来た

.....あーやっぱり、擦り傷できてんじゃん...

確認したら、多分見えないと
思われる場所に傷ができていた

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