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す、とその手が彼女の身体に伸びる。
殺されるとは思いもしないのか、
それともヒーロー以外に恐怖を感じるものがないのか、
何にせよ、彼女は微笑んだままだ。
その顔が炎に触れて、焼けて、爛れて、焦げたら、
一体どんな声を上げるだろうか。
「触るな」
もうすぐ触れそうな白い肌が、ぐい、と遠のいた。
代わりに、荼毘の顔面に、
目一杯広げられた掌が突き出され、
荼毘は後方に飛んで距離を取った。
彼女は突然のことに驚いたが、
自分を引っ張り、胸の中に収めた人物を見上げて、
愛しそうに目を細めた。
「とむらくん、」
「急に居なくなるなよ」
死柄木は、ごめんなさい、と謝る彼女の肌を、
人差し指で撫で上げた。顎を掴み傷が無いことを確認し、彼女の擦り切れた足を見て顔を歪ませる。
そして、荼毘に向けて鋭い瞳を向けた。
普段死柄木が怒った時は、
もっと人を殺すような血走った目を向けられるが、
成程、彼女の前ではなるべくそういう面は見せないようにしているらしい。
「おい、何しようとした」
「別に、」
荼毘はへら、と笑みを浮かべた。
無実を証明するかのように両手を上げる。
「そいつも、避けようとすらしなかっただろ」
両腕の中に彼女を収めながら、死柄木は彼女に言った。
声は些か不機嫌だ。怒っているようにも聞こえる。
「だって、とむらくんの仲間だもの」
彼女は死柄木の視線を逃れる様に言った。
「大丈夫だよ」
何故か機械的に聞こえた台詞に、荼毘は眉を顰める。
死柄木は彼女の真意が分かったようで、
少し目を見開き、彼女の手を柔らかく握った。
「俺に合わせる必要はない」
「でも、」
「掌が伸びてくるの、お前嫌だろ」
ぇ、と彼女は声を漏らした。図星だったようだ。
息を詰まらせ、彼女は声を上擦らせた。
「違う、大丈夫。ヒーローだけだもの。
とむらくんたちはそんなことしない、ね、そうでしょ、
荼毘さん」
「……」
だびさん、と彼女は縋るような泣きそうな声で言った。
どうやら荼毘が彼女を殺そうとしていたことは、
全く考えていなかったらしい。
荼毘に向けられた視線が、死柄木の指先によって変わる。
くい、と顎を一本の指を引っ掛けるように持ち上げられて、
死柄木を見上げる形で視線を合わされる。
「嫌なことされたら自分を守れよ」
怒っている口調だった。
しかし、子供を叱る様な、あやす様な声にも感じた。
「でも」
それでも顔を歪めたままの彼女に、
死柄木は溜息を吐いて、何かを囁いた。
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maro(プロフ) - こういう弔くんの夢小説を探していたんです......!!!見事にどっぷりハマりました👍🏻 ̖́-︎続きを気長に待ってます！！ (4月12日 14時) (
レス) id: 89c84e5ca3 (このIDを非表示/違反報告)
もあ(プロフ) - すごい考えられた話で たまげました！とむとむのこうゆうお話あまり無いのですが、どストライクすぎて何回も読ませていただきました🥰お忙しいとは思いますが、続きを楽しみにしています！ (8月16日 20時) (レス) id: 595898a75e (このIDを非表示/違反報告)
ノア - わぁぁ！めちゃくちゃ続き気になります！！夢中で読んでしまいました！笑続き待ってます！ (2022年7月13日 14時) (レス) @page44 id: da656baae2 (このIDを非表示/違反報告)
Yo - 読んでめっちゃドキドキしてました！！ゆっくりでいいので続き楽しみにしています(^^)更新頑張ってください！ (2022年3月12日 23時) (レス) @page41 id: b7d6e0178a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - えぬえさん» 返信遅れて申し訳ないです…🙇♀️ここまで至るに随分時間がかかってしまい…亀更新なのに読んでくださり感謝しかないです…！コメントは力の源…！頑張ります💪 (2022年1月1日 1時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年9月17日 10時
