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シャワーを浴びて、部屋に戻る。
そこに死柄木の姿はなく、
砂や吐瀉物で汚れてしまったベッドは、
いつのまにか綺麗になっていた。
扉の隙間から光が差し込んでいることに気付く。
上の階に居るのか。
扉には、鍵ひとつとして付いていない。
もう逃げることはしないから、ということだろう。
彼女は扉を開ける。
「おふろ、入りました、」
声を掛けつつ扉を開けたが、
予想外の大人数から注目を浴びて目を見開く。
随分個性が強い人達だ、と思った。
何となくお辞儀をした。
何人かがそれに応えた。
見知った顔がこちらを見て嬉しそうに笑う。
「Aちゃん！」
トガが彼女に駆け寄る。
「とがちゃん、」
彼女も花が咲いたように笑った。
久しぶり、と突進してくるトガの身体を受け止めた。
「A、」
死柄木が呼んだ。
ソファに座ったまま、死柄木は微笑んで彼女を見た。
「おいで」
死柄木は彼女に手を差し出す。
彼女は死柄木の手に自分のものを重ねた。
優しく身を引き寄せられ、
死柄木の隣に寄り添うように彼女は腰を下ろした。
死柄木は彼女の髪を弄る。
「…もう大丈夫そうだな」
「うん、大丈夫。
とむらくん、ゆうくんは連れてきてくれた？」
優の話をすると、髪を弄る手を止め、
彼はあからさまに嫌そうな顔をした。
ん、と差し出された掌には、
私の記憶を閉じ込めた硝子玉と似たようなものが
乗っている。
「このなか」
彼は言った。
硝子玉を丁寧に受け取る。
「俺の個性で入れたんだ、
流石にそのまま持ってくのは大変だからさ」
彼女が顔を上げると、
仮面の男性、コンプレスが彼女の方に歩み出す。
シルクハットをくるくる回し、
彼女の前に帽子を差し出す。
ぽん、と音がして、
シルクハットから花が咲いた。
「わっ……！」
「Mr.コンプレスです、お嬢さん。
以後お見知り置きを」
白くて香り豊かな一輪の花を、
彼女に手渡した。
チッ、と死柄木は舌打ちをする。
「ありがとうございます、ミスター」
彼女は花を持って嬉しそうに微笑んだ。
「解除がお望みかい？」
彼女は少し考え、
コンプレスから黒霧へと視線を移した。
「黒霧さん、どこか綺麗な場所、ありますか。
ゆうくんの弔いをしても、」
「そうですね……、
ああ、良いところがあります。
お連れしましょう」
ありがとうございます、と彼女は言った。
死柄木が彼女の服の裾を掴む。
不満げな顔をして彼女を見る死柄木に、
ゆるりと微笑んで額にキスをした。
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maro(プロフ) - こういう弔くんの夢小説を探していたんです......!!!見事にどっぷりハマりました👍🏻 ̖́-︎続きを気長に待ってます！！ (4月12日 14時) (
レス) id: 89c84e5ca3 (このIDを非表示/違反報告)
もあ(プロフ) - すごい考えられた話で たまげました！とむとむのこうゆうお話あまり無いのですが、どストライクすぎて何回も読ませていただきました🥰お忙しいとは思いますが、続きを楽しみにしています！ (8月16日 20時) (レス) id: 595898a75e (このIDを非表示/違反報告)
ノア - わぁぁ！めちゃくちゃ続き気になります！！夢中で読んでしまいました！笑続き待ってます！ (2022年7月13日 14時) (レス) @page44 id: da656baae2 (このIDを非表示/違反報告)
Yo - 読んでめっちゃドキドキしてました！！ゆっくりでいいので続き楽しみにしています(^^)更新頑張ってください！ (2022年3月12日 23時) (レス) @page41 id: b7d6e0178a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - えぬえさん» 返信遅れて申し訳ないです…🙇♀️ここまで至るに随分時間がかかってしまい…亀更新なのに読んでくださり感謝しかないです…！コメントは力の源…！頑張ります💪 (2022年1月1日 1時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年9月17日 10時
