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「コンプレス、この死体詰めとけ」
彼女を抱えて、死柄木はコンテナの外へ出た。
「はいはい、」
コンプレスの個性で、
死体がコンプレスの硝子玉へと吸い込まれる。
「こっちはどうしますかね、」
コンプレスが硝子玉の一つを摘んで出した。
彼女を撃とうとしたヒーローだ。
「殺すのも面倒だ、どっか捨てとけ」
死柄木は興味無さそうに言う。
「黒霧、」
死柄木が呼ぶ。
ワープゲートが死柄木達の前に現れ、
彼女を連れてくぐる。
いつも通り、酒場に帰った。
階段を下り、地下室に入り、
彼女の為に揃えた家具の中で、
彼女を抱えたままベッドの上にのぼる。
震える彼女に布団を巻きつけて、
まだ過呼吸の彼女を抱えるように後ろから、
布団ごと、強く抱いた。
「A、」
「っ、ぁ……っう…」
死柄木が名前を呼ぶと、
応える様に彼女は布団を握り締めた。
彼女の手に自分の手を重ねる。
勿論、包帯を巻き、その指は浮かせている。
「息、吸って」
すぅ、と彼女は懸命に吸おうとして、
激しく咳き込んだ。
「大丈夫、もう一度」
吸って、と死柄木は言い、
それに合わせるように彼女は吸う。
震えている彼女は、死柄木の言う通りに、
何度も繰り返し、少しずつ、呼吸が戻り始める。
「っは、ぁ、とむら、くん」
「ああ、いるよ」
腕の中にいる彼女が愛しくて、
死柄木は頬に口付けた。
わざと優に偽の情報を渡したことも、
トガが優の姿でヒーローの家族を襲い、
その後そのヒーローを焚きつけたことも、
裏で死柄木が手を回し、
優が目の前で死ぬ様な舞台を作り上げたのを、
彼女は何も知らないまま、
死柄木の腕に縋っている。
「ごめん、なさい、」
「気にしてない」
彼女の頬をなぞり、口元の吐いた跡をティッシュで拭き取る。
死柄木は、彼女の記憶が戻っていたことを、
大分前から知っていた。
彼女は知らないだろうが、
黒霧は彼女がヒーローや警察に保護されて
死柄木から離れてしまった後、
彼女には記憶があることを、直ぐに死柄木に報告した。
何も知らないフリ、
何もかも新しく感じるフリ、
彼女は演技が上手いな、と
今まで最も不安な要素だった筈なのに
怒りも心配も微塵もなかった。
思ったより、死柄木は彼女を信じているのだ。
『帰りたい』と洩らした、その一言だけでも。
問い詰める必要もないし、
彼女が言いたくなければそのまま放っておけばいい。
死柄木はそう思っていた。
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maro(プロフ) - こういう弔くんの夢小説を探していたんです......!!!見事にどっぷりハマりました👍🏻 ̖́-︎続きを気長に待ってます！！ (4月12日 14時) (
レス) id: 89c84e5ca3 (このIDを非表示/違反報告)
もあ(プロフ) - すごい考えられた話で たまげました！とむとむのこうゆうお話あまり無いのですが、どストライクすぎて何回も読ませていただきました🥰お忙しいとは思いますが、続きを楽しみにしています！ (8月16日 20時) (レス) id: 595898a75e (このIDを非表示/違反報告)
ノア - わぁぁ！めちゃくちゃ続き気になります！！夢中で読んでしまいました！笑続き待ってます！ (2022年7月13日 14時) (レス) @page44 id: da656baae2 (このIDを非表示/違反報告)
Yo - 読んでめっちゃドキドキしてました！！ゆっくりでいいので続き楽しみにしています(^^)更新頑張ってください！ (2022年3月12日 23時) (レス) @page41 id: b7d6e0178a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - えぬえさん» 返信遅れて申し訳ないです…🙇♀️ここまで至るに随分時間がかかってしまい…亀更新なのに読んでくださり感謝しかないです…！コメントは力の源…！頑張ります💪 (2022年1月1日 1時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年9月17日 10時
