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心操が施設に来た時、彼女と一緒にお菓子を出す手伝いをしていた女子中学生だった。
彼女のテーブルのライトに照らされたその少女は、
素足で、不安そうな顔をして彼女を見ている。
「どうしたの」
「…ねむれない」
何を言おうとしているか分かって、
彼女は椅子から立ち上がり、
彼女は不安そうに揺れる少女を抱き締めた。
震える声で呟く少女は、
彼女に縋り付くように背中に手を回した。
「……死んだ母さんが、話し掛けてくるの」
「大丈夫、それは夢だよ」
彼女は優しく言った。
頭を撫で、温もりを感じることができるように強く抱きしめた。
施設の子供は、トラウマを抱えている。
個性暴走も、時々ある。
今彼女が過ごしている施設は、
そのトラウマを克服するための施設でもあった。
克服する、と言葉で言うのは簡単で、
実際は、夜や1人になった時に苦しんで泣いている子供達の方が多かった。
「母さんが、私を責めて_____」
この子は、自分の個性が暴走して、母親を殺めた。
そこで声は途切れた。
代わりに、嗚咽が漏れ出した。
心の傷は、簡単には消えてくれない。
自分がしたことなら、尚更。
少女が泣き終わるまで、
彼女は少女を撫でていた。
・
「あのね、私、姉さんの話が聞きたい」
涙が枯れて、僅かに赤い瞼を擦りながら、
少女は言った。
私の、と彼女は聞き返した。
少女はうなずく。
「姉さんの話、一度も聞いたことが無かったから」
彼女の瞳が、不安定に揺れた。
それは、事実を伝えるか否か以前に、
未遂と言えども少女に生々しい記憶を伝えるのは
あまりに酷かもしれないと思った、
一方で、少女の過去を知っているのに、
自分の過去を隠すのは良くない、とも思った。
「……前に暮らしてた、
孤児院の院長が、酷い人だったの」
少しずつ、少女にとっての優しい嘘を混ぜて、
彼女は話し出す。
「その人が、ある日、私にも酷いことをして。
でも、有名人で世間の信用を得ていた人だったから
その人が捕まる代わりに、私の大切な人に罪を着せた」
有名人って誰、と少女は言った。
彼女は、名前は覚えてないよ、と答えた。
彼女は再び話し続ける。
「その後、その次の日の夜に、私の大切な人は、
孤児院にいた私以外全員の命を奪ってしまった」
血濡れた手を、今でも覚えている。
その手で、私の頭を撫でたことも。
静かな口調で、彼女は言った。
「今でも、昨日のことみたいに、覚えてる」
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
