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「______で、今回君を誘拐した人物について、
聞きたいのだけれど」
警官はちら、と書類から彼女に視点を向けた。
机を挟んで、彼女と警官が対峙し、
扉を背にして、1人のヒーローも立っていた。
ヒーローと警官は、
彼女の異質な雰囲気を感じていた。
彼女は微笑んでいた。
泣いていたのが嘘の様に、晴れ晴れとした表情で。
その違和感を払拭するように、
警官は出来るだけ軽い調子で言った。
「どんな人物だったか、教えてもらっても」
「お断りします」
彼女は即答した。
その顔に、笑みを浮かべたまま。
空気の温度が、冷えた様に感じた。
「__________________え？」
警官の表情が固くなる。
ヒーローも、眉を上げて彼女を見詰めた。
「お話できることは、何もありません」
「だが、君の左腕は______________」
爆豪からも話を聞いたのだろう。
ああ、と少女は呟いた。
パーカーを脱いで、包帯を解いて見せる。
その左腕には、何も無かった。
傷も、傷跡でさえも。
彼女の個性は『性質変化』だ。
液体、気体に変化させることや、
固くする、柔らかくする、ゴムや綿の様な質感もなんなく再現できる。
その個性を使った。
ほんの一瞬、傷口を液状化させて、それを解除する。
液状化した傷口はくっつき、
解除すれば元通り綺麗な皮膚へと戻る。
簡単に言うけれど、
液状化の範囲を間違えればその腕は溶け落ちるし、
解除するのが遅くても溶け落ちる。
植物や小さなもので何回も繰り返した故に出来た芸で、
植物が溶け落ちて跡形も無く消えていく様なことが人体で起こると思うと、誰もが身震いするだろう。
それ故に、彼女はこの芸を見せたことは一度も無かった。
例え彼女の個性を把握していても、
実際見せたことなんか無いものを仮定するのは警察にあるまじきことだ。
もちろん、爆豪以外の生徒の目撃はあるだろう。
切島達もその傷を見たのだから。
だが。
それはヒーローの卵であって、ヒーローではない、
ただの未成年が言ったことだ。
誘拐された同級生を見て、混乱した子供。
そういうことで、片付けられてしまうのを、
ヒーローでない人の扱いを、
痛いくらいに彼女は知っていた。
「勘違いじゃないでしょうか。
この包帯も、事故のケガのものですし」
隙を見せず。揚げ足取らせず。
私はずっと微笑んでいた。
多分、悪い顔をしていたと思う。
「この数ヶ月間、
私は今までで、いちばん幸せでしたから」
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
