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「A、今までありがとな」
警察に捕まったはずのゆうくんは、
微笑みながら私を抱き締めた。
孤児院で息をしていたのは、私と彼の2人だけだった。
院長が床で倒れ彼の手は、血で染まっていた。
それでも、彼は私の家族だった。
「お前は綺麗だから。そのままでいろよ」
彼は私の頭を撫でた、
私が服の裾を掴めば、嬉しそうに笑った。
彼が『敵』になったのは、その周りのせいだ。
院長や、私なのだ。
私はぼろぼろと涙を零した。
「Aは悪くないよ、
俺がやったことには変わりない」
泣きじゃくる私に、見透かす様に彼は言った。
そして、じゃあ元気で、と彼は微笑んだ。
またな、とは言わなかった。
二度と会えないだろうということは、
お互い良く分かっていた。
最後の顔が泣き顔だなんてみっともなくて、
私もゆうくんみたいに笑った。
・
そのあと、色々な人が孤児院に来て、
私を保護した。
孤児院は嫌だと言ったら、
皮肉にもヒーロー協会の運営施設で保護された。
文句は言わなかった。
『ヒーロー』は本当に正義か、
なんて疑問は、周りから否定されるのだ。
常に微笑んで、優しくし、
勉強もして、運動もして、
綺麗になるための努力をし続けた。
何が綺麗かなんて分からないから、
全てに秀でようと、努力した。
ゆうくんの言う、綺麗を守り続けた。
そして、私の『物体の性質を変化させる』個性の活用域が広いことから、
ヒーロー協会直々の推薦で雄英高校への入学も決まった。
これ以上無い幸福だと言われた。
でも私は、ヒーローに成りたい訳じゃ無かった。
・
かつきくんは、時々私に向かって、宣言する。
それは決まって、私が1人でいる時だ。
図書館や学校の廊下で。
だけど構わず、毎回決まって同じことを言う。
俺が最強のヒーローになる、と。
今思えば何であんなことを言っていたのだろう、
初めて言われたときは、
余りの突拍子の無さに笑ってしまった。
でも乱暴な口調とは裏腹に、
余りにも自信ありげで、真っ直ぐな瞳に、
こんなヒーローなら私やゆうくんは救われたかもしれない、と何度も思った。
そのうち、かつきくんがヒーローになって、ゆうくんのような、みんなを救うことを夢見た。
クラスのみんなだって、良い子達ばかりだ。
こんな優しい人達がヒーローになる世界なら、
良いかもしれないと、
本当に心の底から思っていた。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
